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【にじいろWS 2022-12月】アルチンボルドへのオマージュ

2022年12月19日 月曜日投稿

奇想で、あやしく、魅力的?そんな画家「アルチンボルド」に挑戦!

いきなり「アルチンボルド」と言われて、すぐにそれが画家の名前とわかるひとはどれほどいるでしょうか。
ましてや、その代表的な作品を問われても・・・。
とはいえ、意外にその代表的な作品を一度はどこかで目にしているかもしれません。

「アルチンボルド」とは、16世紀(1500年代)に名を馳せたイタリア出身の画家です。
正式には、「ジュゼッペ・アルチンボルド(Giuseppe Arcimboldo/1526―1593年)」。
神聖ローマ帝国の宮廷画家として仕え、多くの肖像画をはじめ宮廷の装飾や衣装のデザインも手がけました。
とくに彼が描いた肖像画は、花や野菜、果物、動物などを組み合わせ、それを人物の顔に模して描く〈寄せ絵〉という技法により制作されました。
〈寄せ絵〉とは、ある物を集めて一つの形とした絵のことで、近くで見ると多くの物を寄せ集めて見えますが、少し離れて見ると別の物を構成した絵に見えるというものです。
この奇抜な発想により生み出された作品は、れっきとした人物画でありながら、その構成要素として描かれた無数の植物や果物といったものがあまりにもリアルなことから静物画としても評価することができるという、なんともあやしい魅力につつまれたアートです。
そんな彼の作品は、その後、世界的に有名な画家たちに多大な影響を与えました。

今回、2022(令和4)年最後のにじいろワークショップは、そんな「アルチンボルド」と彼の作品へのオマージュ(敬意を表して)ということで、彼の作品を手本に実際の野菜や果物を素材にした肖像画の制作を行いました。そこで掲げたスローガンは“「アルチンボルド」に挑戦!”です。
はたして子どもたちは、彼の作品領域に到達するほどの肖像画を生み出せたのでしょうか。

NHKプロモーションHPより

素材は、毎日の昼食で使われる豊富な種類の食材を活かして

今回のワークショップは、まずその素材集めからはじまりました。
実際の野菜や果物を素材にするということで、毎日子どもたちが食べる昼食用の食材を活用することにしました。
もちろん、食材そのままではなく調理前に切り落とされる食用部分以外の皮や葉などです。
当園の栄養士と調理員がそのためにおよそ10日前から、使用可能なものを厳選し、丁寧に種類ごとに分けてストックしてくれました。
それら数十種類におよぶ素材が、いくつものカゴに詰められて、ホールの机上にずらっと一列に並んだ光景は圧巻です。
子どもたちは見ただけで驚きの声を上げていましたが、私たちおとなもその光景には感嘆するほどでした。
通常は処分される部位ですが、その鮮やかな切り口や自然のもつ色合いの美しさはまさに一見の価値あり、です。

食することのできない部位とはいえ、こうして用意された食材、しかも子どもたち自身がお昼に食べている実際の食材を直接見たり、触れたりする機会はなかなかないので、今回は特別にワークショップに導入する前に当園の関塚郁美栄養士から子どもたちに食物のお話をしていただきました。

早速、関塚栄養士はカゴのなかの部位をひとつつまみ上げ、
「これはなんの皮かわかるかな?」と質問しました。
子どもたちは即座に答えます。
「りんご!」
「そうだね、じゃ、これは?」
「にんじん!」
と子どもたちも家で見慣れているのでしょうか、意外に正解していきます。
でも、なかにはまったく原型がわからない食材もあり、子どもたちはその答えを聞いてびっくりすることも。
そうしたやり取りのなかで、これら全部が子どもたちのお昼に使われている食材だということを知ってさらに驚いていました。
自分たちの昼食には、これほどまでの豊富な種類の食材が使われていること。
それを毎日毎日給食室で栄養バランスや個々の体質などを考慮し、子どもたちひとりひとりに喜んでもらえるよう工夫を凝らして調理していること。
そうしたことをじかに知ることは、とても大切なことです。
年中クラス、年長クラス共に子どもたちは関塚栄養士の食物に関するお話に熱心に耳を傾けていました。

栄養士のお話が終わると、いよいよワークショップの実践開始です。

髪はリンゴの皮、鼻は長ネギ、目はたまねぎの輪切り・・・って、どんな顔!?

関塚栄養士のお話を受けて、先生もカゴのなかの素材をつまみ上げ、それを手のなかでまるめたり、伸ばしたり、ぶらぶらさせるなどしていつものように子どもたちを笑わせながらワークショップへ誘っていきました。
そして年中クラス、年長クラス共に子どもたちの気持ちが自然にワークショップモードに移ったタイミングを見計らい、全員に「アルチンボルド」の有名な肖像画(絵画)が印刷された見本の用紙を配りました。

最初は子どもたちも何気なくその肖像画を眺めていましたが、先生が
「よ~く見てごらん、なにか変でしょ、変じゃない?」と聞きました。
すると、数人の子どもたちがそれに気づいたようで
「なんだこれ、顔に野菜の絵が描いてある!」と騒ぎだしました。
どうやら、みんながそれに気づいたようです。
「そうだね、この絵の顔は野菜や果物でできてるよね」
先生はそう応えると、今度は一冊の画集を手に取りました。
それは今回のテーマに掲げた「アルチンボルド」の画集です。
そして、画集にある「アルチンボルド」自身の肖像画を見せながら、簡単に彼のことについて話しました。
子どもたちは彼の足跡などおかまいなしに、そこに描かれた彼自身の古めかしい人物の絵を見て、
「なんだ、このおじさん!」と一笑に付しました。
先生は次に、手元に配った有名な肖像画とは違う、もっと別な物を寄せ集めて構成された作品(肖像画)を見せました。
すると、おとなではちょっと眉をひそめてしまいそうな物の〈寄せ絵〉でしたが、なんとそれを見た子どもたちは大声で笑い出しました。
「なんだこりゃ、へんなの~あはははは」
子どもの持つ笑いの尺度は、まったくおとなには理解できないということを痛感します。

先生はひと通り今回のテーマについて説明し終えると、用意しておいた大きな色画用紙を1枚、子どもたちの前に敷き、机上に並んだ素材の入ったカゴの中を物色して、いくつかの野菜の切れ端を手に取り、それを色画用紙の上に置きました。
先生はそれをベースにして、次々と素材になる野菜や果物の切り捨てられた部位をカゴから取り出し、どんどん色画用紙の上に置いていきました。
リンゴの皮はもじゃもじゃ頭の髪の毛に、たまねぎの輪切れがまんまるの目に、長ねぎの切れはしは束ねて大きな鼻に・・・とみるみるうちにひとの顔に見えてきました。
子どもたちはそれをのぞき見ながら、「すごい!顔になったぞ」と大喜びです。

先生がお手本を示すやいなや、これもいつものことながら子どもたちはすぐさま自分もつくりたくてうずうずしはじめました。
「ひとり1枚、色画用紙を選んで、準備が整ったらはじめていいよ」の号令と共に、一斉に子どもたちは創作をはじめました。

はじめは素材選びです。
お目当ての素材が入っているカゴを探し、どんな色やかたちにするかで迷います。
その子どもたちのまなざしは、食品売り場で買い物に迷うお母さんのように真剣そのもの(笑)。
同じ野菜から切り落とされた部位であっても、一つとして同じ色やかたちのものはありません。
だから、それを選びだすのは個人個人の思いや趣味、感性といったもの以外にはないのです。
そしてその素材を画用紙に置く位置も、つくり上げるかたちも、盛りつける量もすべてが個人の表現であって、ほかの誰のものでもないのです。

今回のワークショップは、年中クラスと年長クラスの差があまりないように思えました。
なぜなら、すべてのことが個人に委ねられた行為そのものだからです。
そこには作品の出来栄えについての優劣はおろか、正解、不正解もないですし、遅い早いも、大小の扱いも色合いも関係ありません。
また今回ほど全員が時間を過ぎるまで手を動かし、頭を悩ませて作品づくりに没頭したワークショップはなかったかもしれません。
素材の交換は何度でも行えますし、それを定めた位置に置いても、眺めるたびに位置を変え、重ねたり盛りつけたり、取り除いたり・・・その繰り返しの連続で、誰ひとり「完成しました!」の声が聞けませんでした。
なかには1枚の画用紙では足りずに、もう1枚足して胴体部分を作成する子どももいました。
それでも、それについての良し悪しはありませんし、もちろん完成と言い切れる状態には至りませんでした。

こうしてみると、終わりのないワークショップというのも、子どもたちの体験としては有意義なことだったのではないかと思います。

箱庭療法的な要素もあり、ある意味癒しの効果が含まれている

ワークショップが終わり、子どもたちの居ないホールには個性あふれるユニークな肖像画が残されました。
今回ばかりはそのまま保存するわけにもいかず、かといってそれをすぐさま解体して処分することもできず、しばし先生も保育士もそれらを黙って眺めるばかり。
しかし、そのどれもがとびっきりの笑顔ばかりの肖像画であることに気づくと、そのひとつひとつの作品が大声で笑いあっているように見えてきました。
すると、静かなはずのホールがとてもにぎやかな空間に感じられ、不思議と温かな気持ちになりました。
はじめに掲げた〝「アルチンボルド」への挑戦!〟というスローガンは、年中クラス、年長クラス共に、この瞬間、みごとに達成されたように思えました。
はるか彼方で「アルチンボルド」も、子どもたちの積極果敢な挑戦に拍手を送っていることでしょう。

では、終わりに「にじいろワークショップ」を企画・指導する松澤先生からのコメントを紹介します。
「今回の素材となった野菜や果物といった、自然物のなかいにある美しい色合いとかたちの面白さに気づくこと、
それから素材から直接受ける感触を得ること、これが大きな目的です。
また幼児期に大切な食育という観点から、栄養士の関塚先生とのコラボができたことも良かったです。
いつもあたりまえのように食べているけれど、これほどたくさんの食材が使われているということは知らなか
ったでしょうし、同時に食べ物の尊さやありがたさも知ることができたと思います。
それに、今回の素材を集めてくれた給食室の調理員みなさんの手によって、こうした食材を切ったり、煮たり、焼いたりといろいろ工夫してつくってくれているのだとわかることは大事です。
だって、食べることは生きていく上で最も必要なことでしょ」と先生は笑った。

さらに今回の創作活動について、
「こういう創作って、ガーデニングに近い行為ですね、ガーデニングは癒しの効果があるといいますから。
なので、もっといえば〈箱庭療法*〉にも似ていると思うんです。
箱(画用紙)の中に、さまざまな道具(食材)を自分で選び、それを自分で置く、つまり配置をきめていく、こうした行為などみれば、まさにそのものですよね。
平面に描くのとは違って、物体を置くのだから置く物や配置によってひとつと同じものができないでしょ。
それが個性だし、感性だし、考え方や時々の気持ちを表現することになる。
つまり、あらゆる面からみて、セラピー的な癒しを含んでいます。
とくに言語でうまく自分を表現できない幼児たちには、とても有効な創作活動だと思います」
先生はこう述べて、今年最後のワークショップを締めました。

今年一年、本当にありがとうございました。
来年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。

箱庭療法
心理療法の一種で、砂の入った箱の中に玩具や物を自由に置いていくことで、言葉を必要とせずにその者の気持ちを解放し、こころのなかに眠るものを表現させることで心的治療を施すこと。

ドキュメンテーション

アルチンボルドへのオマージュ
一作年に行ったアルチンボルドへのオマージュを再び行います。
私たちは食している食材をよく見てみると、面白い形や、美しい色、植物自身が身を護るための工夫がされています。実際の野菜などと、アルチンボルドの絵を眺めながら、自然物のなかにある美しさに出会い、その気づきから楽しい表現に仕上げていきます。

written by OSAMU TAKAYANAGI

あそびと環境0・1・2歳(1月号)にあおぞら保育園の様子が掲載されました

2022年12月6日 火曜日投稿

学研の保育雑誌「あそびと環境0・1・2歳」の2023年1月号での、「子どもに働きかける環境作り」という特集記事の中で、あおぞら保育園の子どもたちが遊んでいる様子が掲載されています。

☆あおぞら保育園のにじいろワークショップで、毎月ファシリテーターとしてお越しいただいている松澤綾子先生が記事の監修を行っています。

その他、雑誌等に掲載された内容はメディアへの掲載(法人HP)をご覧下さい。

【にじいろWS 2022-11月】サファリパークに行こう~ライオンキングのサバンナをイメージしながら~

2022年11月25日 金曜日投稿

〈ごっこあそび〉は想像力と創造力、そしてからだ全体で

毎年10月末日、ハロウィンになると首都圏にあるテーマパークや東京・渋谷の街は仮装をした若者たちでにぎわいます。
コロナ禍では一時、それがままならない状況でしたが、今年は久しぶりにそのにぎわいが各所に戻ったようです。
近年では特にハロウィン特有の仮装ではなく、映画やアニメの主人公であったり、動物であったり、その時に話題になったものにふん装したりと自由な仮装が多くなりました。
それらの大半は自分でつくり、いろいろな小道具などと組み合わせていると聞きます。
それぞれに趣向を凝らした仮装で全身を包み、いつもの私ではない、特別な私になりきって楽しんでいるのがわかります。
私はそんな様子をニュースなどで見るたびに、自身がまだ子どもだったころ、ひとりで、または友だちと一緒に〈ごっこあそび〉をしたことを想い出します。
当時のテレビやマンガのなかの主人公、はたまた巨大恐竜や人気の怪獣などになりきって、近所のあそび場を飛び回っていました。
そのころは身にまとう衣装など無かったですが、日常生活にあったものを上手に使い(模して)、時間が経つのも忘れてあそんでいたものです。
もちろん、ハロウィンで仮装をするのとはだいぶ意味がちがいますが、現代の若者たちを見ていると、誰もが小さかったころに経験したであろう〈ごっこあそび〉を、いま再び体現しているように思えてなりません。

今回のワークショップは造形(つまり簡単にいえば、形のあるものをつくりだす行為)ですが、そこから上述した〈ごっこあそび〉へと発展させていきます。
〝あそび〟とはいえ、それを十分に楽しむためには想像力と創造力が必要です。
さらに、からだ全体を使ったパフォーマンス能力も不可欠です。
テーマは「サファリパークに行こう」ということで、子どもたちには動物になりきってもらいました。
最後はみんなで、あおぞら保育園内に誕生したサファリパークへ出かけます。
さて、どんな動物たちに出会えるでしょうか。

まずは、〝なりきり〟の小道具づくりからはじめます

今回のテーマであるサファリパークにいる動物たちは、その大半が広大なアフリカの大地で育ちました。
そこで子どもたちには、あらかじめ用意したプロジェクターを使って、部屋の白い壁にアフリカの風景のなかにたたずむ動物たちの写真を大きく映し出し、これから造形する動物の容姿を観察してもらうことにしました。

年中クラスの子どもたち、それから年長クラスの子どもたちも、プロジェクターで映し出された大きな写真に最初は少し戸惑ったようでした。
ライオンやトラ、キリンにサイにゾウなど、動物園では見慣れた動物たちですが、広大なアフリカの大地に放たれた野生のそれらを見るのはおそらくはじめてでしょう。
でも、次々に映し出される動物たちの迫力ある姿に、子どもたちは徐々に惹きつけられていきました。

それから先生は子どもたちの前に立ち、おもむろに首から下げたふたつの筒状になったものを目に当てて子どもたちを見わたすしぐさをしました。
「あ、見える見える、ライオンかな?ゾウかな?遠くまで見えるよ」
先生が下げていたのは、底を抜いた紙コップ二つを貼り合わせてつくった双眼鏡を模したものでした。

ここからが造形(ものづくり)のはじまりです。
先生が首から下げていたものと同じものを子どもたちひとりひとりに配りました。
真っ白な紙コップに、先生とおなじように首から下げられるようにスズランテープが取り付けてあります。
子どもたちは自分の双眼鏡を手に取ると、先生を真似て遠くを覗くしぐさや、壁に映し出されている動物の写真を、まさにアフリカの大地で覗き見ているようにその望遠鏡で眺めたりしていました。
なかにはお友だち同士の双眼鏡をぴったりとくっつけて、お互いの目を覗き合っている子もいました。

先生はそんな子どもたちに「この双眼鏡の真っ白な筒の部分に、好きなように色をつけたり、模様を描いたりして自分だけのものにつくり変えていいよ」と言いました。
すると、子どもたちはいっせいにクレヨンを使って自分だけのオリジナルな双眼鏡づくりをはじめました。
真っ白で均一な紙コップが、みるみるうちに個性を持ち出し、その子の色に染まっていきました。

年中クラスと年長クラスの子どもたちは、〈ごっこあそび〉をする前にまずは〝なりきり〟の小道具として双眼鏡づくりに夢中になりました。
でも、年長クラスの子どもたちは首から下げるスズランテープも自分自身で貼り付けました。
いずれにしても、サファリパークへ出かけるなら、遠くの動物たちを見るための双眼鏡は必要な小道具ですからね。

そうそう、それから先生は、双眼鏡づくりに励む子どもたち全員にサファリパークの特別入場券を配りました。
それはひとりひとりの名前を書き込むスペースがある、やはりオリジナルの入場券です。
先生自身〈ごっこあそび〉に手は抜きません。これは〝なりきり〟気分を盛り上げるための演出です。
当然、子どもたちのテンションはさらに上がります。
「入場券は失くさずに持っていてね」と言われて、いく人かの子どもたちは、大事にポケットにしまい込みました。

仮装の準備ができたら、いよいよ「サファリパーク」へ出発です!

今回の〝なりきり〟道具づくりの仕上げは、動物の被り物です。
これが一番むずかしく、でも一番楽しみな造形(ものづくり)でした。

年中クラスと年長クラスの子どもたちは、前もって頭からすっぽり被ることのできる紙袋をひとりひとり用意しました。
その紙袋の側面に、それぞれの児童の顔のかたちが切り取られています。
なので、その紙袋を被ったとき、顔だけが外に飛び出して見える仕組みです。

先生はお手本に、自分の顔に合わせて切り取った紙袋を手に取り、顔の出る部分に折り紙や厚紙で動物の顔に似せた三角の大きな耳や色とりどりのひげをつけました。
それを頭から被って顔だけを出すと、顔は先生ですが、その顔の周りには動物のような耳やたくさんのひげが
ありました。
子どもたちはその被りものを見て大笑いです。
それから先生はそれを被ったまま、動物の動きを真似て歩いて見せました。
その姿に子どもたちはさらに声を上げて大はしゃぎ。

テーマが「サファリパークに行こう」ですから、アフリカの大地に生息する動物たちをイメージしてつくります。
壁にプロジェクターで映し出された写真や、動物の本を参考にして、それぞれが自分のなりたい動物を決めて、その顔をつくっていきます。
どの子も自分でつくりたい動物の特徴をよく考えて、耳にしろ、ひげにしろ、見事につくりこんでいきました。
出来上がるとそれを被って、誰かれとなくさっそく四つ足になって動物になりきって歩き出しました。

特にいつもと力の入れようがちがったのは、年長クラスの子どもたちです。
というのも、来年2月に行われる園の発表会で、年長クラスが演じるおしばいの演目が『ライオンキング』だからです。もちろん、みなさんがよく知っている、ディズニーのアニメーション映画(1996年公開)です。
ご存知の通り、その物語に登場するのは、すべてアフリカの動物たちです。
そうなれば、がぜん力が入るのは当たり前ですね。
映画『ライオンキング』は、その後アメリカでミュージカルとして舞台公演がありましたし、日本でも劇団四季による公演が行われるなど、いまでは子どもたちにとって大好きなディズニー作品の1本として人気が高いようです。

来年の発表会に向けた練習もはじまっているのでしょう、その物語に登場するサバンナに生息する動物たちのこともよく知っていました。
すでに先生が説明するまでもなく、壁に映し出されたアフリカの動物たちの写真を見ながら、
「あ、シンバ!」、「ムファサかな?」、「スカーだよ」、
「これ、悪いハイエナたちだ」などと物語の役名で呼ぶ子どもたちもいたくらいです。
年長クラスの子どもたちの気持ちは、すっかり物語の世界に在るようです。

そんな年長クラスの子どもたちも〝なりきり〟道具づくりの仕上げに一生けん命です。
年中クラスの子どもたちよりはワークショップの経験も知識も一年分多いせいか、動物の顔づくりにもそれぞれがひと工夫もふた工夫も加え、かなり凝ったつくりをしています。
例えば、巨大なタカ、大口のワニ、鼻の長いゾウ、パンダなんていうアフリカとは無縁の動物まで登場しましたが、どれもが顔の周りに貼り付ける耳や羽根も、鼻にひげも、口元さえ立体的な造形物を完成形として描きながらつくっていました。いく人かの子どもたちは腕にまでその動物の一部分を模したものを巻き付けて全身で表現していました。
最後は先生や保育士にサポートしてもらいながらも、みんなイメージ通りに仕上がりました。

子どもたちが創作に打ち込んでいる間に、先生と保育士でお部屋の奥に、あおぞらサファリパークの舞台をつくりました。
年中クラスと年長クラスの子どもたち共に、そのサファリパークでそれぞれが仕上げた動物になりきって作品を発表し合いました。
お客役と、動物役を半分ずつに分かれて交互に〈ごっこあそび〉を行いました。
お客役は入場券を入口で係員役の先生に渡し、双眼鏡で遠くから眺めたり、紙でつくったエサを与えたり。
動物役はドシドシ、バタバタ、ノロノロと四つん這いになりながら、動物の鳴き声まで真似して大騒ぎです。
どちらの役になっても、〈ごっこあそび〉は終わることを忘れて、時間いっぱいまでみんななりきっていました。
そんな光景を見る限り、年中クラスと年長クラスの子どもたちは、きっと、来年の発表会は最高の舞台になることまちがいなしですね!

子ども時代に体感すべき、普遍的な〈ごっこあそび〉の必要性

〈ごっこあそび〉はなにものかになること、なれることで、予期せぬたくさんのことを学びます。
今回はテーマを設定し、それに即した造形にも力を入れましたし、また最後にはからだを使って身体的なパフォーマンスにもつながりました。
これらは、表現するというアートの最も根源的な部分を体感した行為です。
冒頭でも触れましたが、仮装すること、若者たちの言い方を借りれば〝コスプレ〟も〈ごっこあそび〉の延長線上にあることではないでしょうか。そこには、あきらかに想像力と創造力が存在するからです。私ではない私になりきることで別の世界も見えますし、閉ざされた気持ちもある意味解放されるからです。

では今回も最後に「にじいろワークショップ」を企画・指導する松澤先生からのコメントを紹介して、結びとします。
「〈ごっこあそび〉を完結させるためには、何度も言うように想像する力と、それを表現するために創造する力が必要で、それを一番あそびとして取り入れるのが上手な幼児期に思い切りやれたかどうかで、その後のこころの持ちようや、大げさに言えば生き方みたいなものにも影響すると思います。
ひとつの物事をどれだけイメージできるか、できないかで仕事や生活の幅が広がるか、狭まるかに分かれることってあるでしょう。いつ、いかなる場所にいても、もうひとつ別の、まったくちがう世界へ自分を導いていけるかどうかで考え方も視方もかわりますからね。そうした行為は潜在的なものですから、小さいころに理屈ではなく身につけておきたいものです。
また子どもの情緒面の発達にも〈ごっこあそび〉の必要性は高いと言われていますから、大いに〈ごっこあそび〉を奨励したいものです。
それにしても、今回も、おとなの想像するかたちをはるかに超えた造形(ものづくり)と〈ごっこあそび〉への踏み込み方には驚きました。でも、それだけにこれからがとても楽しみです」

ドキュメンテーション

サファリパークに行こう~ライオンキングのサバンナをイメージしながら~
今回は造形で、ごっこ遊びを行ってみようと思います。
今年度の5歳児さんの演劇は「ライオンキング」ということで、ライオンたちが生活している、サバンナに住む動物たちをイメージし作り、動物になりきって遊ぶ、そんななりきり造形あそびをやってみます。
動物を作ることも、ルールを決めて遊び方を考えるのも面白い。なにができるかお楽しみです。

written by OSAMU TAKAYANAGI

はむら保育展&ホップの会公演のお知らせ

2022年11月16日 水曜日投稿

はむら保育展

11月23日(水)~26日(土)の期間、羽村市プリモホールゆとろぎ 1階展示室にて、「はむら保育展」を実施します。
今年度も羽村市内13園の様子を紹介した展示のみの実施となりますが、お時間のある方はぜひご来場ください!!

ホップの会公演

ホップの会による保育展特別公演を11/26(土)の11:00と14:00の2回、ゆとろぎの交流広場にて行います。
子どもたちが楽しめる楽しい公演ですので、ぜひ遊びに来てくださいね!!

★ホップの会・・・羽村市保育園の男性職員を中心とした会です

☆交流広場

【にじいろWS 2022-10月】版画を体験しよう

2022年11月1日 火曜日投稿

「版画」と聞いて、どんなことを思い浮かべますか?

みなさんは「版画」と聞くと、どんなことを思い浮かべるでしょうか。
ご自身の体験から、小さい頃に野菜などの切り口に絵の具などを塗って、スタンプのように紙に押し付けたこと、または学校の授業などで一枚の板を彫刻刀などで削って凹凸(おうとつ)をつくり紙に転写したことなどを挙げる方は多いかもしれませんね。
なかには、はがきサイズのゴム製板を削って年賀状の絵柄を作成した、といったかなり具体的な例を示す方もいるでしょう。
さらには、有名な作品や作家名と共に、いわゆるアートとしての「版画」を思い浮かべるという方も。

そう、「版画」と聞いて、たいていの場合は誰もがなにかしらを思い浮かべることができるのです。
つまり必ずしも特別なものではなく、誰もが一度は日常的に体験している、もしくは耳目していることだといえます。
ただ、それをいつ、どのように体験しているかということで、ひとそれぞれに思い浮かべることがらが違ってくるのでしょう。

さて、今回のワークショップは、その「版画」を体験してもらいました。
年中クラスはもとより、実は年長クラスの子どもたちも「版画」を行うのは今回が初めてです。
それも、ちょっとユニークな版*づくりからはじめて、子どもたち自らインクを付着して紙に写しとるまで、版画制作における一連の基本的な工程を体験しました。
(*版:インキを紙面に転写する仲立ちとなるもの)

葉脈もくっきり、500円玉も?初めてづくしで驚くことばかり

年中クラスも年長クラスの子どもたちも、今回が初めてづくしの「版画」です。
いずれの子どもたちもワークショップのはじまりは同じです。

こどもたちには、まず道具のことを知ってもらおうと、先生はインクを付着させるためのローラーを取り出しました。
先生はローラーを両手に握り、いつものように子どもたちにおどけて見せます。
顔をこするの?からだに転がすの?
いやいや机を拭くのでしょ?
子どもたちもそれを手に取って、自分の顔やからだをコロコロ転がして大笑い。
それから版画を摺るときのバレンも見せました。
「なんだ、これ?」と、子どもたちの反応はいまひとつピンときません。
それはそうですよね、初めて見るのだから。

そんなふうに全員がそれらの道具に触れると、今度は版画を刷るために用意したテーブルに子どもたちを集めました。
ここからがワークショップの実践です。

先生は木の葉っぱを1枚、子どもたちに見せました。
園庭に落ちたばかりのまだみずみずしい葉っぱです。
それを先生は両手のひらに挟んでこう言いました。
「どこにでもある葉っぱだけど、こうして手のひらで触ってみると、葉っぱにある筋(葉脈)がわかるよ」
そして、子どもたち一人ひとりに触ってもらいました。
「ほんとだ!でこぼこしてる」「線が浮き出てる」と子どもたちは新鮮な感動を覚えていました。
葉脈を手のひらで感じることなんて、そうそうないですからね。

次に先生はテーブル上に用意した大きなトレイのなかにインクを注ぎ、先に子どもたちに見せたローラーでそれを上下に転がして溶きはじめました。
子どもたちは初めて見るその光景にじっと見入っています。
インクがローラーに馴染んだのを確認すると、台紙の上に葉っぱ(葉脈のある面を上に)を置き、ローラーでその葉っぱにインクを付着しはじめました。
子どもたちは何がはじまるのか、まばたきもせずに見つめています。

葉っぱにインクが付着したら、その上に白画用紙を被せて片方の手でしっかり押さえ、もう片方の手でバレンを持って、その白画用紙の上からバレンの平の面で円を描くようにこすっていきました。
それから、ゆっくり白画用紙をはがしていくと、その白画用紙に葉っぱがきれいに転写されていました。
葉脈も、目で見るよりも鮮やかに写っています。
子どもたちはいっせいに歓声を上げました。
こうして版画の基本的なこと~作業の流れを子どもたちに伝えました。
難しい学習は不要です。まずは身近に視て、それをきちんと体験することが一番の学習です。

と、ここまでは年中クラスと年長クラスはまったく同じでしたが、年長クラスにはもう少しだけ「版画」の話を付け加えました。
それは、日常見慣れたあるモノを取り出してからのこと。
先生は、自分のお財布から千円札を1枚抜くと、年長クラスの子どもたちに見せながら
「これも、いまやったようにインクで刷ってつくってるんだよ」と。
子どもたちは、おどろいたようすです。
「もちろん機械を使っていっぱい刷っているけど、もとをたどればいまやったことと同じです」
先生がそう説明すると、子どものひとりが「10円や100円玉も?」と唐突に聞きました。
予期せぬ質問に、今度は先生がおどろきました。
先生は一瞬考えましたが、またお財布から500円玉を取り出して
「じゃ、できるかどうかやってみようか」といいながら500円玉の表面にローラーでインクを付着しました。
考えてみれば硬貨も表面に凹凸があるので、やり方は葉っぱのときと同じです。
バレンでこすり白画用紙をはがすと、葉っぱほどきれいではないけれど、そこには確かに500円玉が写っていました。
「でもね、残念ながら10円玉や500円玉はお札とはちがう作り方をしています。だけど、こうして表面にでこぼこがあれば葉っぱのように刷れるってことだね」
ほんとうに予期せぬ質問でしたが、こういうやりとりはとても大事なことです。
おとなもそれについてごまかしたり、面倒がらずにしっかり答えてあげるということが肝心です。
子どもって、疑問符の数だけモノを覚えるのですから。

予想もしない仕上がりに、子どもたちも見惚れます

子どもたちが版画の基本的な工程を知ったところで、いよいよ本番です。
先生はあらかじめ用意しておいたA5サイズの透明なシート(プラスチック素材:ポリプロピレン)をテーブルに置きました。
それから、これも準備しておいた○型や□型をした指先ほどの小さなシールを出して、そのA5版サイズの透明なシートにペタペタと貼りつけていきました。
横や縦一列にいくつも並べると○や□がつながって線になります。
それを応用していけば、さまざまな模様が浮き出てきます。
太陽や星や雲だってつくれます。
木や花もできました。
あらら、誰かさんの顔もできますね。
先生はこんなふうにいくつかの例を示しながら、その透明なシートに○や□のシールを使っていくつかの線と花の模様を描きました。
そのシートを台紙の上に置き、インクの付いたローラーでシート全体にインクを付着させていきました。
手順は先ほどの葉っぱと同じです。
白画用紙をそのシールを貼った透明なシートに被せ、またバレンで円を描くようにこすっていきました。
今度は、葉っぱのときよりも念入りにこすりました。
それからまた同じようにゆっくり白画用紙をはがしていくと、そこには不思議な模様が表れました。

確かにシールを貼った透明なシートと同じ模様ですが、左右の位置が逆に写っています。
またシートに貼った実際のシールよりも、画面上のシールのカタチの方がくっきりと見えました。
それから全体にインクの色に染まっていることで、独特な雰囲気を醸し出していました。
予想もしていない仕上がりに、子どもたちはすっかり魅了されたようです。

子どもたちは各テーブルに戻り、まずは透明なシートになにを、どんなふうに描いていくかを考えます。
使う素材は、先生が見本で見せた○型や□型をした指先ほどの小さなシールのみ。
ただし、そのシールを自分の思うような形にハサミで切るのもちぎるも自由です。
○を半分に切れば半円になり、□を斜めに切れば三角になります。
また何枚も重ねて貼ってもいいですし、出来栄えに納得がいかなければ、何度でも貼り直しもできます。
たったこれだけの材料ですが、子どもたちの発想は豊かで自由で、限りなく広がっていきます。
黙々と子どもたちは版づくりにかかります。
時折、先生や保育士に相談をしたり、ちょっと手伝ってもらう子どももいましたが、最終的には自らの力で版づくりを行いました。
どの子どもの作品も、A5サイズという小さなシートのなかに、見たことのない大きて素晴らしい世界をつくりあげていました。

完成した(と自分で思った)子どもから順々に転写をします。
子どもたちは飲み込みが早いので、先生がやったやり方を器用に真似て刷りはじめました。
補助はしますが、やはり子どもたち自身でローラーを転がし、インクを付着させ、バレンでこすります。
白画用紙をゆっくりはがすと、そこにはまったく予想外の作品世界が表れます。
子どもたち誰もが白画用紙をはがすたびに、自分の作品に見惚れているようすがわかります。

仕上がった作品は順番に並べてインクの乾くのを待ちます。
そしてシールを貼った透明なシートは、表面のインクを水洗いして、これもいっしょに乾かします。
実は、今回の仕上がった作品は二通りの楽しみを味わうことができます。
ひとつは刷り上がった作品、もうひとつはその版自体です。
版を水洗いするのは、作品として保存するためです。
刷り上がった作品と版は、似て非なるものです。趣きの違う作品としていずれも鑑賞できますので、飾っていただくのも、ワークショップの想い出とするにしても、ふたつ合わせて保存されることをお勧めします。

日常生活にあふれる「版画」ですが、そこには長い歴史が・・・

年長クラスの子どもたちに先生が紙幣を見せたように、日常には版を使ってたくさんのものが刷られています。
ご存知の方は多いと思いますが、15世紀中頃にドイツのグーテンベルグという人物が、ひとつの版を使って何度も同じものを複製することを発展させて(活版)印刷という技術を誕生させました。
これにより、一気に印刷物が世界中にひろまっていくのです。
しかし、版というものだけを見れば、その歴史はもっと古く、原始時代から古代オリエントまで遡ることができます。
当然、版を使って生み出される「版画」というアートも、こうした流れのなかで誕生してきたのです。

そういえば、1990年代から2000年代はじめにかけてテレビや雑誌によく登場したナンシー関(本名:関直美)さんというコラムニストの代名詞が「消しゴム版画」家でした。
普通に市販されている消しゴムをカッターナイフで削って、それを版として使い、ご自分のコラムやほかの雑誌などにイラスト表現として掲載していました。特に似顔絵が得意だったようで、そのものが人気を博し、学生たちの間でその「消しゴム版画」が一時期流行ったことがありました。
手軽に誰もが楽しめるという点が魅力だったのでしょう。
残念ながら、ナンシー関さんは39歳という若さで亡くなってしまい、それ以降はその「消しゴム版画」も見なくなりました。

横道にそれましたが、今回の版画は「凸版(とっぱん)」という版でしたが、ほかにも一般的には「凹版(おうはん)」、「平版(へいはん)」など版の形式は多種多様にあります。
「にじいろワークショップ」の松澤先生は、ご自身が美術を学ばれていたころ、版画の授業も受けていたそうで、かなり専門的な知識と技術をお持ちです。なので、余計に力が入った、とご本人の弁ですが・・・(笑)。
また、今回シールを用いて版づくりを行いましたが、この手法の発案にも先生が関わっていたといいます。
試行錯誤を繰り返し、子どもたちが安全にできて、あそび感覚で楽しめ、かつ発想力が養えるという、これって、なんだか新しい版画づくりとして注目されそうですね。

では最後に「にじいろワークショップ」を企画・指導する松澤先生からのコメントを紹介して、今回のワークショップを終わりにします。
「版画って、どのようにつくれば最終的に作品になるのか。
版づくりからはじめて、それをインクで紙に転写していくという、そんな基礎的な工程を自分自身で体験すること。それが今回のワークショップの一番のポイントです。

そしてもうひとつ、版づくりの材料としてどこにでもある○型や□型のシールを利用したのですが、あえてカタチを単純にすることで子どもたちの発想力を引き出すこと、養うことにも重きを置きました。
版に描く絵柄を、ふつうに絵で描いてしまうほうが早いし、楽です。
でも、これだけ単純なカタチでは、工夫しなければ思い通りの絵柄にはできないですから。
ただし、この○型や□型はハサミで切っても、重ねて貼っても、そのシールを使うことであればなんでも良しとし、創作する子どもたちの意思と発想にゆだねました。
その結果は、こうして作品を観ればおわかりのように、どれもがみな豊かな発想力に彩られ、ひとつとして同じものがなく、個性的でオリジナルな作品に仕上がりました。
もちろん、版づくりから刷りに至るまで、版画に関する基礎的な知識として凸版の仕組みやインクとローラー、バレンの使い方などは指導しました。
そこはきちんと教えるべきだと思っているので・・・でも、それをすべて覚えていなくても、視覚や手触りといった皮膚感覚、そういうものが記憶に残れば今はそれで十分です」

ドキュメンテーション

「版画を体験しよう」
版画技術の歴史は古く、日本では平安時代のものが残っています。1200年以上前から印刷技術は多くの人を繋ぎ、伝える媒体として存在してきました。宗教絵画として広く利用されたことから芸術にも昇華されています。今回はシールを使い、ほんの少しの凹凸で表現できる版画を体験し、作品を作ってみようと思います。

written by OSAMU TAKAYANAGI