公益財団法人 教育美術振興会が発行している「教育美術」2022年6月号での杉浦先生による「美術館を学びの場として活用する試み」というコラムの中で、あおぞら保育園にて行われている「保育園美術館」の取り組みが紹介されています。
公益財団法人 教育美術振興会が発行している「教育美術」2022年6月号での杉浦先生による「美術館を学びの場として活用する試み」というコラムの中で、あおぞら保育園にて行われている「保育園美術館」の取り組みが紹介されています。
事務連絡
令和4年5月27日
市内保育施設利用者 各位
羽村市子ども家庭部子育て支援課長
新型コロナウイルス感染症に対応した保育施設の利用について
日頃より羽村市の行政運営にご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症はいまだ収束には至っておらず、今後も感染症対策を実施していく必要があります。
これまで同様、保育施設については通常保育を継続しますが、保育施設の利用にあたりましては「コロナ禍における保育施設利用ガイドライン(第4版」に基づき、ルールを守ってご利用いただきますようお願いします。
なお、国の「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」の変更等に伴い、熱中症などへの対策を踏まえ、以下のとおり対応してまいりますので、ご理解ご協力をお願いいたします。
また、施設での感染拡大の状況によっては、緊急に休園とする場合があります。
臨時休園となった場合は、感染拡大のリスクを抑制する観点から、他の保育施設での代替保育は実施できません。自宅保育等で対応できるよう、あらかじめご準備くだいますようお願いいたします。
保育施設では、引き続き、子どもの安全を第一に保育を実施してまいりますので、保護者のみなさまにおかれましても、日頃からご家庭での感染予防を徹底するなどご協力をお願いします。
ご不明な点等がございましたら下記担当までお問い合わせください。
【問合せ】
子育て支援課保育・幼稚園係
電話 042-555-1111 内線 241
「透明なキャンバス」という言葉に聞き覚えのある方は多いと思います。
実は、昨年6月に〈テラスで描こう、透明なキャンバス〉というテーマで、当園2階から園庭に通じる外通路と外階段にあるガラスの壁面をキャンバスにして絵を描くというワークショップを行いました。
そう、テーマだけをみれば、その続編ともいえます。
でも、今回そのキャンバスとなるのは昨年と違い、いつもワークショップを行う室内とそれにつながる室外のテラスを仕切る透明なガラスサッシがキャンバス(支持体*)になります。
部屋の形状に沿うように横長に広がって連なる大きなガラスサッシは、まさにお絵描き用のキャンバスにはぴったりかもしれません。
その横長に連なるガラスサッシをちょうど半分に分け、室内から見て左側を年中クラス、右側を年長クラスのスペースとしました。
また、絵を描くために使用する画材も、昨年はアクリル絵の具と筆でしたが、今回は専用のガラスクレヨンを用います。
これは日常園で使うクレヨンと変わらないので、子どもたちにとっては手に馴染んだ画材といえます。
年長クラスの子どもたちは昨年のそれを覚えていたようで、「すぐにやりたい(描きたい)!」と勢いよく集まって来たのですが、どうもようすが違うのですぐに「あれ?」という表情になりました。
そして今回初めて透明なガラスにお絵描きをする年中クラスの子どもたちは、なにをするのかやや不安そうです。
いずれにしても、今回の透明なガラスのキャンパスに描くワークショップはただの続編ではなさそうです。
*支持体(Support):絵画においては、絵の具を塗るために使用するキャンバスや画用紙などを指します。
今回2回目のワークショップとなる年中クラスの子どもたちは、室内に入って先生の顔を見るなり、
「アヤコせんせ~い!」と大きな声で呼びかけました。
先生の名前は、まっさきに覚えたようです。
とはいえ、まだまだ「何をするのかな?」と戸惑うようすは隠せません。
そこで先生は、まず子どもたちと一緒にあそびながら全身を動かし、からだとこころをほぐしていきます。
〈アート〉活動だって、こころとからだのストレッチはとても重要ですから。
からだもこころも整えたら、いよいよはじまりです。
子どもたちは全員テラスへ出て、室内とテラスを仕切っている透明なガラスサッシに沿って一列にまっすぐ並びました。
そして、そのガラスサッシ越しに室内を眺めると、そこには先生がひとり、1本のクレヨンを持って立っているのが見えました。
先生はゆっくりガラスに近づくと、そのクレヨンで、なんと目の前にある透明なガラスに絵を描きはじめました。
赤い丸や三角、花の絵など、それもガラスの向こうに立ち並ぶ子どもたちの目の前に。
一瞬それに驚く子どもたちでしたが、そのうち目の前に描かれた絵を見て笑い声が出はじめました。
なにしろ、子どもたちの目の前にあるガラスの反対側から、次々に絵が描かれていくなんて、見たこともない不思議な体験でしたから。
そんなふうに絵を描き終えると、先生も子どもたちのいるテラスに出て、
「いま先生が描いたように、みんなも目の前のガラスに好きな絵をいっぱい描いてください!」
と大きな声で促しました。
もちろん、年中クラスの子どもたちはガラスに絵を描くなんてはじめてですから、「え~っ?」と誰もがまだ不安そうな声を上げました。
すると、子どもたちと一緒にテラスに立っていた園長が、
「今日はいいよ、どんどん描いてね」とニコニコしながら言いました。
そう言われたら、もう躊躇する子などはひとりもいません。
先生が用意したいくつもの色のクレヨンからそれぞれが好きな色を選び、思い思いの絵をいっせいにガラスへ描きはじめました。
ひとや動物の絵、月や星、太陽、幾何学模様(?)、いくつもの色を重ねた色彩の塊など、みるみるガラスは子どもたちの自由な〈アート〉で埋まっていきました。
短時間で仕上げたそのようすを見て先生は、
「ずいぶん早く描けたね、みんなじょうずですごいなぁ」とほめると、さらに
「それじゃ、今度は先生がみんなに描いて欲しいもの(テーマ)をいいます」そう付け加え、
クレヨンで埋め尽くされたガラスサッシを濡れた雑巾で拭きました。
数回拭き取ると、もとのように透明なガラスサッシに戻ります。
いま描いたのは、まずはガラスに描くことに慣れること、それからどれくらい描いていけるのか、そんなことを見極めるためです。
先生はあらためて新しい絵を描きはじめました。
それは、緑色の小さな花の芽の絵でした。
そこから次第にツルが伸びていき、やがて葉が出て花が咲く・・・そんな植物が成長していく絵です。
この植物の成長する姿(ようす)を子どもたちに描いてもらおうというのが、先生が掲げたテーマでした。
ちょっと難しいんじゃないかな、というおとなの心配をよそに、子どもたちは先生の絵を見ながら感嘆の声を上げると、またしてもすぐさま見よう見真似で描きはじめました。
いつの間にか子どもたちの目の前のガラスには、新しく誕生した芽、そこから空に向かって伸びていくツルと葉、その先に咲き乱れるきれいな花々という、植物の成長物語が表れました。
年長クラスの子どもたちは一度同じような体験をしているので、テラスの外からいきなり描きはじめることにしました。
さすがに絵を描くのはお手の物とばかりに、どんどんガラスがクレヨン画で埋まっていきます。
年長クラスの子どもたちには、誤って描いた線や色、別の絵を描きたいときなどに濡れた雑巾を使ってきれいに拭き取る方法を教えました。
それを覚えると、右手にクレヨン、左手に濡れた雑巾を持って、器用に描いたり消したりする子もいました。
どの子も描いては消してまた描いてという動作に慣れたころ、テラス側から描いた絵を室内側から眺めてみることにしました。
描きかけの絵や完成した絵を、それぞれが室内とテラスを行ったり来たりして眺めます。
それを繰り返すうちに、
「なにか変だぞ」と子どもたちは気づきました。
目の前から見て正しいと思って描いていたはずの絵が、反対側から見ると左のものは右に、右のものは左に。
つまり、テラス側を正面と思って描いたはずの絵が、室内側からは反転して見えたのです。
こんな風に自分が描いた絵を反転して眺めることなどありませんから、誰もが新鮮な驚きを感じたはずです。
しばらくして、今度は先生がテラス側から描いた子どもたちの絵に対して、室内側から絵を描き足してみました。
その先生が描いた絵は、子どもたちから眺めると反転して見えます。
それを見た子どもたちは先生を真似て、テラス側から描いた自分の絵に、室内側から描いた自分の絵を重ねはじめました。
はたして、自分で描いた絵はどっちがオモテだったのか、ウラだったのか?
オモテだと思って描いたものが、実はウラだったかもしれない、そんな奇妙で複雑な絵が表れました。
昨年のワークショップでは、通路内のガラス壁に描いた絵をすぐにウラ側から眺めることはできませんでした。
ましてやウラ側からオモテ側の絵に重ねて描き足すなんて。
なので、昨年同じようなワークショップを受けた年長クラスの子どもたちも、これはまったく新しい体験なのです。
さらに先生はテラス側で黙々と絵を描いている子どもの反対(室内)側にいくと、その子の描く絵と対峙するかのようにその絵とは違う形や色で絵を重ねていきました。
それに気づいたその子は、まるで先生とコラボをするかのように、またそこにテラス側から違う形と色を描きました。先生も負けじと、またしてもその絵に別の形と色を足していきます。
そんなふたりのお絵描きの応酬を見ていると、言葉ひとつ発することはないものの、ガラス越しでも〈アート〉を媒介に確かなコミュニケーションがとれていることに感動しました。
こうして、年中クラスと年長クラスの子どもたちは、ガラスサッシという透明なキャンバスいっぱいに鮮やかな〈アート〉作品を描きました。
今回は昨年とは異なる支持体や画材を活用したことで、先に記したような新しい発見や感動がたくさんありました。
なかでも―これはおとなの目線での気づきですが―子どもたちが絵を描いている、まさにその時、どれほど真剣なまなざしで向き合っているのか、今回初めて見ることができました。
なぜなら、通常は画用紙などのように反対側から見ることのない支持体を使用するので、真正面から子どもたちの視線や手の動きを見ることはほぼ不可能です。
それが、両側から眺めることのできるガラスという支持体であったがために、それを見ることが可能になったのです。
もし今後このような機会があれば、お子さんが無我夢中で絵を描いている姿を横から眺めるだけではなく、真正面から見てあげてください。きっと、今まで気づかなかったお子さんのまなざしに出会うはずです。
今回を振り返り、「にじいろワークショップ」企画・指導の松澤先生は、
「常に新しい試みを加味して実践しているので、子どもたちの反応をひとつひとつ見ながら、そこで得たものをいかに今後につなげていくか。いわば毎回毎回が試行錯誤と発見の連続、それから反省の繰り返しですよ」
とにこやかに話してくれました。
子どもたち自身も、昨年体験して得たものと、今年のそれは大きく違うでしょう。
掲げるテーマは例え続編と称しても、当然ワークショップの内容は子どもたちと同じように日々成長し、変化し続けていくものです。
このワークショップに参加する私自身も、先生の言葉以上に試行錯誤と発見、そして反省の日々です。
※なお、今回のワークショップの作品は、当園ホームページ内の職員投稿「あおぞら美術館へようこそ(5/14)」でも紹介しています。
「透明キャンバス テラスでお絵描き」クレヨン編
テラスにお絵かきをします。
透明な画面での描画、描いた絵と向こうの景色がかさなって見えるかな。クレヨンの重なりが見えるかな。
クレヨンと絵の具も併用するか、またテーマ「花」「好きなもの」などと決めて導入するか相談したいと思います。
written by OSAMU TAKAYANAGI
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事務連絡
令和4年5月17日
教育施設長・保育施設長・家庭的保育者 各位
羽村市子ども家庭部
子育て支援課長
子どもが消毒液・除菌剤を使用する場合の注意喚起について
日頃より、羽村市の行政運営にご理解とご協力を賜り、また新型コロナウイルス感染症への対応にご尽力をいただいておりますこと、厚く御礼申し上げます。
さて、先般保育園に通う女児が手指消毒用のアルコール消毒剤を舐め意識不明となり、急性アルコール中毒と診断された、との報道がございました。消費者庁からも、同様の事案や誤ってアルコール消毒剤が子どもの目や顔にかかってしまう事故への注意喚起が発出されています。
新型コロナウイルス感染症が拡大する現在の状況下ではアルコール消毒剤等は必要不可欠なものであり、利用頻度は大変高くなっておりますが、子どもが誤った利用をしたり、事故が起きないよう、安全な取り扱いへの配慮をお願い申し上げます。
※参考
消費者庁「Vol.583消毒剤・除菌剤の取扱いに留意しましょう。誤飲や眼に入る事故の発生が続いています」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20220228/
公益財団法人日本中毒情報センター「除菌剤・消毒剤が眼に入る事故に注意しましょう」
https://www.jpoisonic.jp/report/eyeexposure202102/
【担当】
羽村市 子ども家庭部子育て支援課
電話:042-555-1111 内線:241
E-mails:304000@city.hamura.tokyo.jp
すべてのものが新鮮に映り、彩りもゆたかになる4月です。
新しく入園した子どもたち、ひとつおにいさんやおねえさんになった子どもたちも、みんな輝いて見えます。
そして、「にじいろワークショップ」も、そんな子どもたちと一緒に新年度を迎えました。
もちろん、新型コロナの影響でまだまだ自由にのびのびと生活を楽しむことはできませんが、今年度も「にじいろワークショップ」はアートを通じて子どもたちのこころとからだを解放し、子どもたちの五感にたくさんの想い出を残したいと思っています。
さて新年度の第一回目は、『紙コップのインスタレーション』です。
紙コップは一般に市販されている、あの紙製の使い捨てコップです。
では、〈インスタレーション〉とは?
今年度の年長クラスの子どもたちは、昨年10月にこのワークショップでおこなった『蜘蛛(クモ)の巣・インスタレーション』で一度体験しているので、なんとなく記憶があるかと思います。
ただ、はじめてこの言葉を耳にする子どもたちとご父兄の方もいらっしゃるので、あらためてご説明しておきます。
〈インスタレーション( Installation )〉とは、端的に言えば、アートを展示する空間そのものをひとつの作品としてとらえることです。
つまり、その空間にある壁や床、天井まで含め、どこを見てもそこに存在する全てのものが鑑賞の対象となり、その空間に身を置くことで、全身でアートを体感するということです。
これは特に「現代美術」における表現方法として定着した言葉です。
https://www.estherstocker.net/
ですから今回のワークショップは、子どもたち一人ひとりが紙コップという素材を使って、お部屋全体にアートな表現を施しながらそれを全身で体感するというものです。
ただし、この〈インスタレーション〉という言葉やその意味について、子どもたちには一切教えません。
このワークショップでは、学ぶというより、あそびながら体感することに重きを置くからです。
遠い先のいつの日か、子どもたち自らがこの体験を思い出すことがあれば、それで十分だと考えています。
まずは年中クラスの子どもたちです。
そう、今回が初めての「にじいろワークショップ」です。
みんな緊張しているのかな、と思ったら、いやいやどの子も目をキラキラさせて、期待感たっぷりのようす。
そんな子どもたちが声をそろえて、「よろしくおねがいします!」と元気のいいごあいさつ。
その声がお部屋いっぱいに響きわたると、先生も笑顔でごあいさつのお返しです。
では、と先生は、子どもたちの前に四角柱の細長い(紙コップが入った)パッケージを差し出しました。
「これ、な~んだ?」と先生は聞きます。
パッケージの中には紙コップが100個重ねて入っていますが、表からではわかりません。
なので、子どもたちはきょとんとしています。
そこで先生はそのパッケージのふたを開け、中から紙コップを取り出しました。
ひとつ、ふたっつ、みっつ、よっつ・・・と一個ずつ取り出してはそれを並べ、積み上げ、三角の小さな山のような形をつくってみせました。
子どもたちは、さすがに紙コップはわかったものの、それが積み上った状態を目の当たりにして、これからなにがはじまるの?と興味津々です。
さらに先生はパッケージの中に入っている残りの紙コップを一気に全部引き抜くと、それを床に立てました。
何十個も重なった紙コップは、まるで空に伸びた背の高い煙突のようです。
子どもたちは「???」とばかりに目をきょろきょろ。
次に先生は、それを揺すってみせました。
すると、くねくねと曲がって、まるで煙突が踊っているように見えました。
子どもたちはそれを見て、こんどは声を上げて大笑いです。
ひとつひとつはどこにでもある、子どもたちもよく知っている紙コップですが、こんなふうにたくさん重ねると、まったく別のものに見えてくるから不思議です。
年長クラスの子どもたちにも、先生はおなじように紙コップをパッケージから取り出して見せました。
でも、去年からこのワークショップを受けている子どもたちは慣れたもので、これくらいでは動じません。
先生だって、当然それは承知です。
そこで、年長クラスの子どもたちにはすぐさま紙コップを一人ひとりに渡し、
「これを床に一列に並べて、その上にどんどん積み重ねていってね」と言いました。
子どもたちはこのいきなりの指示に戸惑いながらも、順番に紙コップを並べていきました。
床にまっすぐ並べるまでは順調にいきましたが、その一列を土台にして上に一段、二段、三段と積み上げるようになると、子どもたちも真剣です。
崩さないように、崩れないように、とだんだん慎重な動きになります。
それでも、そこは年長クラスの子どもたち、じょうずに積み上げることができました。
こうして年中クラスの子どもたちも、年長クラスの子どもたちも、紙コップという素材に直接触れて、いろいろな角度から眺めることで、新しい発見やおもしろさ、その不思議さなどを感じとったようです。
さあ、それではここからが本題です。
先生は、年長クラスの子どもたちとはじめたように、紙コップを床に並べました。
こんどは長めに一列並べると、その上に一段、もう一段と紙コップを積み上げ、子どもたちの背丈の半分くらいまでの高さまで積み上げてみせました。
それはもう三角の小さな山ではなく、大きくて、高くて、広がりをもった壁のようでした。
子どもたちはそれをお手本にして、はじめは三角型の山を部屋のあちらこちらにつくりました。
それができあがると、それを土台にしてもっと大きく、広がりのある壁をつくりはじめました。
壁はまっすぐなものばかりではありません。丸みをおびたものであったり、角度のあるものであったり。
それも積み上げながら上手に調整することを覚えました。
年中クラスの子どもたちは、先生や保育士の手を借りながらたくさん積み上げていきました。
年長クラスの子どもたちは、三段が四段になり、さらに五段が六段にと、ひたすら上に積み上げて、気がつくと自分の背丈と同じくらいになりました。それでも止めることなく、背伸びをして手が届く高さまで積み上げていきました。
お友だちと協力して、自分たちがすっかり隠れるほどの大きな壁を積み上げた子どもたちもいます。
コツコツとひとりで、自分自身を囲むように紙コップの壁をつくった子もいます。
途中までできあがった紙コップの壁が崩れてしまって泣き出す子もいましたが、何度崩れてもまたつくりなおし、また積み上げてと、それを繰り返すうちに、もう無我夢中で泣いたことなど忘れたようです。
年中クラスのなかには、崩れて紙コップが豪快に飛び散るさまに興味をそそられたのか、積み上げた紙コップの壁をわざわざ思いっきり押し倒す子もいました。
そんなお友だちの姿がとっても楽しそうに見えたのでしょうか、別の子どもたちまでもせっかく積み上げた紙コップの壁を自ら思いっきり倒して嬉しそうに飛び跳ねていました。
まるで自分が怪獣にでもなって、街中の建物を壊しているような妄想にかられたのでしょうね。
崩れては積み上げ、倒しては積み上げて、部屋いっぱいにたくさんの紙コップの壁ができあがりました。
そんな壁を下から眺め、上から眺め、紙コップの隙間から眺めている子どもたちの目には、きっとおとなには見えない景色が見えていたにちがいありません。
また年長クラスの子どもたちは、部屋いっぱいにできあがったいくつもの紙コップの壁と壁を、紙コップを並べた道で四方八方につなげていき、ひとつの巨大な都市空間を想起させてくれました。
それはまた、これから子どもたちが創り上げるであろう、 “未来の世界”のようにも見えました。
さて、楽しかったワークショップも、いよいよ終わりに近づきました。
年中クラスのこどもたちはたくさんの紙コップを重ねてなが~く、なが~く一本につなげ、それを大蛇のように床に這わせると、その端から端まで両足で大蛇をまたぐように駆け抜けていきました。
年長クラスの子どもたちは、やはり紙コップをたくさん重ねて一本のロープ状にすると、その端と端をつないで輪をつくり、そっとそのまま床に置きました。
そのロープ状になった紙コップの輪を囲むように子どもたちは等間隔に並んで座り、各自の目の前にあるロープ状になった部分をやさしくつかみました。
先生は子どもたちに「そおっとね、やさしく、ゆっくりね」と声をかけます。
子どもたちは、やや緊張気味なのか、無言で静かにうなずきます。
先生はそれを確認すると、「さあ、上げるよ」と再び声をかけ、それに合わせてみんな同時にゆっくりその輪を持ち上げました。
先生と子どもたちの手によって、そのロープ状になった紙コップの輪は、そのままの形を保ちながら少しずつ床から離れていきます。
それからじっとして、1秒、2秒、5秒・・・紙コップでつくったロープ状の輪は、確かに宙に留まっています。
まだ大丈夫、10秒、20秒、25秒・・・次の瞬間、どこからともなくつなぎ目が外れて、紙コップはバラバラに床へ落下していきました。
それでも、子どもたちも、先生も、息をひそめてそれを見守っていた保育士たちも、一斉に大歓声と拍手でそのことを讃え合いました。
これで、今回のワークショップは終了です。
ひとつひとつは小さな使い捨ての紙コップですが、子どもたちにとって、今では夢を創造(=想像)する大切な素材になりました。
そして、初めてワークショップを体験した年中クラスの子どもたちも、2年目の年長クラスの子どもたちも、共に時間ぎりぎりまで大いにあそび、大いにはしゃぎ、大いに笑い合いました。
なによりも、それが一番大事ですし、それがあってこそ、しっかり五感にその感覚を残せるのだと考えています。
今回のワークショップのおわりに、こんな言葉を記しておきます。
「子どもたちにすべての解答をあたえないこと、
底の底までさらけ出さないことです。
そうすれば子どもたちは自分なりの創造性へ向けて、
一押しされることになります。」
これは、おそらく一度は読んだことがあると思いますが、『あおくんときいろちゃん』、『フレデリック』や『スイミー』といった世界的に有名な絵本を描いたレオ・レオニ(Leo Lionni)さんの言葉です。
(*松岡希代子著『レオ・レオーニ 希望の絵本をつくる人』2013年・株式会社美術出版社より)
一見簡単そうなことですが、とても重要なことを指摘しているように思います。
では、この一年、どうぞよろしくお願いいたします。
「紙コップのインスタレーション」
今回は紙コップ一つから始まります。
一つの小さなものでも、それが大量に集まると、大きく景色や空間を変えることが出来るのです。
紙コップが積み上がる、高くなる…しかし、 一瞬に して崩れる緊 張感も伴います。
「構築から破壊へ」破壊があるからまた新しく生まれるそんな隠れたメッセージも内包しているインスタレーションです。
written by OSAMU TAKAYANAGI
事務連絡
令和4年4月21日
市内保育施設利用者 各位
羽村市子ども家庭部子育て支援課長
新型コロナウイルス感染症に対応した保育施設の利用について
日頃より羽村市の行政運営にご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。
新型コロナウイルス感染症はいまだ収束の見通しが立たず、今後も感染症対策を実施していく必要があります。
これまで同様、保育施設については通常保育を継続しますが、保育施設の利用にあたりましては「コロナ禍における保育施設利用ガイドライン」に基づき、ルールを守ってご利用いただきますようお願いします。
特に、以下についてご確認のうえ、ご留意ください。
また、施設での感染拡大の状況によっては、緊急に休園とする場合があります。
臨時休園となった場合は、感染拡大のリスクを抑制する観点から、他の保育施設での代替保育は実施できません。自宅保育等で対応できるよう、あらかじめご準備くだいますようお願いいたします。
なお、今回、ガイドラインの内容の一部を更新した「コロナ禍における保育施設利用ガイドライン(第4版)」を添付しましたので改めてご確認ください(更新箇所は赤字で表示しています。)。
保育施設では、引き続き、子どもの安全を第一に保育を実施してまいりますので、保護者のみなさまにおかれましても、日頃からご家庭での感染予防を徹底するなどご協力をお願いします。
ご不明な点等がございましたら下記担当までお問い合わせください。
【問合せ】
子育て支援課保育・幼稚園係
電話 042-555-1111 内線 241
コロナ禍における保育施設利用ガイドライン(第4版)
令和4年4月21日
保育施設では、子どもたちの安全に十分配慮して運営していますが、集団感染が発生するリスクを完全に防ぐことはできません。集団で園生活を送るということは、ご自身のお子さんが感染するリスクがあると同時に、他のお子さんを感染させてしまうリスクもありますので、お互いにルールを守ってご利用いただきますようお願いします。
1 保育施設利用にあたっての留意事項
(1) 仕事が休みの場合など自宅で保育可能な場合は登園を控えてください。
(2) 園内の過密状態を少しでも軽減するため、保育時間(保育標準時間の場合は午前7時~午後6時、保育短時間の場合は午前8時30分~午後4時30分)にかかわらず、勤務先の出退勤時間に応じた送迎にご協力ください。
(3) 園児および同居家族の朝夕の検温、体調チェックは必ず行ってください。園児に発熱(37.5以上)や呼吸器症状等の風邪症状が見られる場合は、症状が治まり24時間が経過するまでお預かりできません。また、園児の体調が良好な場合でも、同居家族に風邪症状が見られる場合は登園を控えてください。なお、呼吸器症状が感染症に起因するものでないと医師が判断した場合はこの限りではありません。
(4) 園児が発症した、または濃厚接触者に特定された場合は、速やかに園に連絡してください。感染者と最後に濃厚接触した日から起算して原則として 7日間はお預かりすることができません(濃厚接触者の園児がPCR検査で陰性が確認された場合も同様です。)。
(5) 園児が医師の診断によりPCR検査を受けることとなった場合は、速やかに園に連絡してください。PCR検査で陰性が確認されるまではお預かりすることができません。こちらの場合も、保健所から指導があった場合は、そちらを優先します 。
(6) 園児の同居家族が濃厚接触者に特定された場合、医師の診断によりPCR検査を受けることとなった場合については、園児が濃厚接触者に特定されなければ登園可能とします。ただし、濃厚接触者に特定された、若しくはPCR検査を受けた同居家族の方の園児の送迎については、指定された自宅待機期間中はご遠慮ください。
(7) 園児の同居家族の感染が確認された場合は、速やかに園に連絡してください。園児が濃厚接触者に特定されなかった場合は、園児の体調の変化に十分注意した上で登園可能としますが、感染拡大のリスクを抑制する観点から出来るだけ登園を控えてください。
2 情報の共有等
(1) 「1 保育施設利用にあたっての留意事項」において情報提供いただいた内容は、園と市で情報共有させていただきます。また、園児に兄弟姉妹がいる場合は、必要に応じて、学童クラブ担当、小中学校等へ情報提供する場合がありますのでご承知おきください。
(2) 園児が新型コロナウイルスに感染した場合は、個人名やクラス名等は伏せた上で、感染の経過等について、園の連絡網等により保護者の皆さまへ情報提供します。
3 臨時休園
(1) 園児(または園職員)が感染した場合は保健所の指導に基づき対応します。その際、施設の消毒や濃厚接触者の特定のため直ちに休園となる場合があります。休園となった場合の期間は通常1~2日程度となりますが、感染が拡大した場合等は期間が延びる可能性があります。
(2) 臨時休園となった場合は、感染拡大のリスクを抑制する観点から他の保育施設での代替保育は実施できませんので、自宅保育等で対応できるようあらかじめご準備いただきますようお願いします。
(3) 市が羽村市社会福祉協議会に委託実施しているファミリー・サポート・センター事業では、サービスを提供する協力会員とサービスを受ける利用会員による共助の仕組みとなっており、日時等の条件が合えばお子さんをお預かりすることができます(有料)。
利用にあたっては、事前に利用会員登録が必要となりますので、利用する可能性がある場合は、羽村市社会福祉協議会(電話 042-554-0304)で登録手続きをお願いします(平日のみの受付となりますのでご注意ください。)。詳しくは、市または社会福祉協議会の公式サイトでご確認ください。
4 人権尊重、個人情報の保護
感染された方の詮索、園児等への差別や偏見、SNS等でのむやみな情報拡散などが起こらないよう十分ご配慮ください。
5 新型コロナウイルス相談窓口新型コロナウイルス相談窓口
【平日 午前9時~午後5時】西多摩保健所相談センター (0428-22-6141)
【平日・ 土日・夜間】 東京都発熱相談センター (03-5320-4592 または 03-6258-5780)