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【羽村市】3/2 ポットラックトーク vol.6

2025年2月25日 火曜日投稿

ポットラックトーク vol.6

日時

令和7年3⽉2⽇(日)
午後2時から午後3時 ※その後4時までワークショップあり

場所

S&Dスポーツパーク富士見内(富士見公園) クラブハウス1F

外遊びに使えるサコッシュづくり+倉庫を使った地域の拠点づくり

外遊びに使えるサコッシュづくり+倉庫を使った地域の拠点づくり

好きな色の生地や紐を選んで、外遊びにも使える、サコッシュ(ミニバッグ)をつくりませんか?同じスペースでは、新しくできるスペースをどんな風に使いたいか、公園でどんなことがしたいかのアイデア募集も行います。出入り自由ですのでぜひご参加ください。
※サコッシュづくりは数に限りがあります。ミシンを使うため順番にご案内しますので時間に余裕をもってご参加ください。

ポットラックプロジェクト公式サイト

https://www.city.hamura.tokyo.jp/prsite/0000018457.html

【にじいろWS 2025-02月】クラフト紙のもみくしゃ~あおぞらパン店の開店

2025年2月23日 日曜日投稿

おいしいパンづくりは、まるめてこねて、つぶしてひろげて、またこねて

今年度最後の「にじいろワークショップ」です。
年中クラスの子どもたちは、初めて参加した昨年春から一年が経ちました。
年長クラスの子どもたちは、今回で文字通り、最後のにじいろワークショップになります。
一年ないし二年という長い期間に学んだことや体験したことは、誰の目にもカタチとしては見えませんが、いつの日かきっと、子どもたちにとって大きな力となるはずです。

さて、そんなワークショップですが、今回は〈クラフト紙〉を用いて、子どもたちの大好きなおいしいパンづくりに挑みます。
具体的にいえば、これまで幾度となく使用してきた、もはや素材の定番ともいえる〈クラフト紙〉をパン生地に見立て、両手で力強くまるめながらこねて、さらに押しつぶし、またひろげてはまるめてこねて・・・といった具合に、まるで本物のパン職人のようにそれを繰り返してパンをつくっていきます。
そうして練り上げたパンは、ふっくら丸く仕上げて白いシュガーか好みのジャムを、はたまたコッペパン型にしてレタスやトマト、ソーセージなどを挟んでホットドッグにするか、そうそうリング状にしてチョコレートドーナツもいいですね。
はたして子どもたちはどんなパンに仕上げていくのか、想像しただけでもお腹がグーグー鳴ってきました。

あ、誤解のないように申しておきますが、おいしいパンづくりとは言っても、見た目のことで、いわば〝目で味わう〟ということですからご安心ください。
では早速、パンづくり(ワークショップ)をはじめましょう。

🍞 パンのミニ知識 🍞

本題に入る前に、せっかくなので〈パン〉の歴史を簡単にご紹介しておきます。
パンの原形といわれている食べ物が登場するのは、なんと世界最古の文明と称される古代メソポタミア文明の時代(およそ8,000〜6,000年前)。それは小麦粉を水でこねて焼いたものだそうです。
その後、古代エジプトから古代ギリシャへとパンづくりが伝えられるとパン職人も増えて量産され、広くヨーロッパからアジア、アフリカへと伝えられるようになりました。
ちなみに日本では、戦国時代に鉄砲とともに伝来しますが、長崎など限られた地域で西洋人のために細々とつくられていたようです。
さらに時代が進み、1854年に鎖国が解かれると、横浜や神戸など港町を中心にパンづくりが盛んになりました。
[日本人=お米]という図式も今や遠い過去のこと。最近はどんな街にも、独自のパンを焼くおいしいパン屋さんをたくさん見かけるようになりました。
総務省家計調査によれば、二人以上の家庭におけるパンの年間消費金額が、2010年以降からお米に代わってパンが上回っているそうです。確かに、ごはんよりパン好きを自認するひと、増えてますよね。


銀座で木村家のパンを宣伝した正月興行の錦絵(木村屋總本店蔵)

どの子も本物のパン職人のようで、つい作品を食べそうになるほどです

まずは準備からですが、以下を先生と保育士で用意しました。

  • 🥖 クラフト紙(A3判ほどの大きさ)・・・1人/5枚以上
  • 🥖 折り紙・・・パンに挟み込む野菜や果物、ジャムやチョコレートなどを表現
  • 🥖 色画用紙・・・パンのトレーづくり(角をホチキス留めに)
  • 🥖 絵の具・・・パンの焼き目やシュガーパウダーに見立てるなど
  • 🥖 小皿・・・絵の具を入れるパレット代わり
  • 🥖 スポンジ・・・小さなサイコロ型に切り、絵の具をパンに塗るなどに使用
  • 🥖 割りばし+洗濯バサミ・・・トングを作成

これらを使って、先生は準備中に子どもたちの見本となるパンをいくつかつくり、手づくりのトレーに乗せておきました。
それからパンを挟むトングも保育士と協力してつくっておきました。
トングづくりは先生が試行錯誤してあみだした、最高傑作(!?)ではないか、と周囲も絶賛の完成度。
何しろ洗濯バサミひとつ、割りばし一善で見事にトングに早変わりするのですから。
簡単に説明すれば、洗濯バサミそのままの姿に割りばしを2本に割った1本ずつを洗濯バサミの頂点(洗濯物をつまむ位置)から指でつまむ左右の箇所に沿ってセロハンテープでしっかり固定します。するとそこにトングに模したV字型のかたちが出来上がります。それを通常の洗濯バサミ同様に親指と人差し指でつまむと、その動きたるやトングそのものになります(※写真を参考にしてください)。
ただし、トングをあらかじめつくるは年中クラスの子どもたちの分だけです。年長クラスの子どもたちはトングづくりも自分たちで挑戦です。

そのほか、折り紙や絵の具、小さなサイコロ型スポンジも準備万端です。

年中・年長クラス共に、はじまりは先生とパンのお話しからです。
子どもたちの目の前には、当園のライブラリーにあるパンを題材にした絵本がズラリと並べられています。
なかでも、パンの種類がたくさん掲載された大型の本は子どもたちにも人気です。
しばらくそんな本を見ながら、大好きなパンの話しで盛り上がりました。

それから先生は、先につくっておいた見本のパンを数種類、手づくりのトレーに乗せて子どもたちに見せました。
子どもたちはそのあまりにもリアルな出来栄えにびっくりです。
なかには「うまそう~」と口走ったり、「食べられるの?」って真顔で聞いてくる子もいました。
先生はそのトレーに乗ったパンを手づくりのトングで挟み、各机に座る子どもたちに見せて回りました。

ひと通り子どもたちに先生の見本を見せると、いよいよ子どもたちのパンづくりです。
子どもたちひとり一人にクラフト紙を配り終えると、先生は最初に簡単なつくり方を教えました。
子どもたちはどの子も真剣に先生を見つめます。
みんなの視線が先生の手に握られたクラフト紙に集まると、先生は思い切りくしゃくしゃにまるめはじめました。
いきなりくしゃくしゃにまるめられたクラフト紙の状態に、子どもたちは少し驚いたようです。
それでも先生は何事もなかったようにそのクラフト紙をひろげて元の形に戻しました。
子どもたちはふっと息をもらしてその光景を見つめましたが、なんと先生はもう一度くしゃくしゃにまるめて、今度はそれをひねるように伸ばして棒状にしました。
その棒状のものを手早く曲げながら輪をつくり、その両端をセロテープで留めました。
すると、それは一気にドーナツになりました。クラフト紙の色合いもちょうどドーナツ色なので、誰の目にもドーナツにしか見えません。
子どもたちから歓声が上がり、早速それを真似てドーナツをつくりはじめました。

どの子も上手にドーナツをつくることができました。
これだけでも十分においしそうなドーナツの出来上がりです。でも先生は、さらに茶色の折り紙を1枚選び、その出来上がった輪の一部分に巻き付けてセロテープで貼り付けました。それはなんと、とびきり甘いチョコレートドーナツになりました。またピンク色の折り紙を巻いて、ストロベリードーナツもつくりました。
子どもたちも自分のつくったドーナツに同じように折り紙を巻き付けてみました。
折り紙の色を変えただけで、いろいろな味のドーナツになります。あっという間にあちらこちらでオリジナルのドーナツが完成しました。

次に先生はまたクラフト紙をまるめ、こんどはぎゅっぎゅと机に押し当てて、本物のパン生地のように何度もこねて、おまんじゅうのような形にしました。
これはメロンパン?それともあんパンかな?と言いながら、絵の具で色付けをしました。
絵の具はあらかじめ準備した白色・黄色・黄緑色が盛りつけられた小皿と、それから茶色と黒色が盛られたもう一つの小皿のものを使います。
ただし、絵の具をパンに塗るのはいつもの絵筆ではありません。これも事前に準備をしたサイコロ型に切られたスポンジを使います。
指でそのスポンジをつまみ、絵の具をしっかり染み込ませてパンの表面にトントンと軽く叩くように着色していきます。そうすることで、白い絵の具はシュガーパウダーのようにパンの表面に付着します。茶色と黒色を混ぜて、パンの表面をやはり軽く叩くように着色すると、少し焦げめのあるパンに見えます。

さらにもうひとつ、先生はホットドッグのつくり方を教えました。
出だしはいままでと同じようにクラフト紙をくしゃくしゃにまるめて、またひろげて、今度はひろげたクラフト紙の左側と右側を真ん中に向かってクルクルと巻き込んでいきます。
ちょうど長いのり巻きを二本並べたような形になったら、その二本のり巻き状のものが離れないようにそれぞれの両端をセロテープで留めます。
そこで二本のり巻き状のものの中央あたりをゆっくり指で左右に引っ張ると、真ん中が空洞になっていきます。
この段階で、なにやら具がまだ入らないホットドックに見えてきませんか?
その空洞になった部分に、グリーンの野菜、赤いトマト、オレンジのソーセージなどの具材(折り紙)を挟み込めば、おいしいホットドッグの出来上がりです。
子どもたちは、これも見本に真似て器用にホットドッグをつくっていきました。具材(折り紙)もかなり凝って(色合いや形もざまざまに)、バラエティ豊かなホットドッグが次々に完成していきました。

 

年長クラスの子どもたちは、これにトングづくりも行いましたが、どの子も難なくつくり上げました。さすがにワークショップ二年目という経験が活きています。

パンづくりの工程を眺めていると、どの子もまるで本物のパン職人のように見えてきます。筆者などは、ついトングで好みの作品(パン)をトレーに入れそうになるほどで、我に返って気恥ずかしくなりました。

本日開店「あおぞらパン店」には自慢のパンが勢ぞろい

ホールの床面に臨時の「あおぞらパン店」1号~3号店を開き、好きなお店に完成した自慢のパンを並べることにしました。
甘い香りが漂うようなパンも、新鮮な野菜がたっぷり挟まれたパンも、ユニークなかたちと彩りに魅せられるパンも、こっそり盗み食いしたくなるようなパンも、どれもが本物のパン屋さんの店先でそのまま売られていても不思議ではない出来栄えです。

年中クラスの子どもたちは、店先に自分たちのパンを並べて、終わりの時間までパン屋さんごっこを楽しみました。
でも年長クラスの子どもたちは、先生と一緒にパン屋さんへのお散歩からはじめました。
「羽村に出来た〝あおぞらパン店〟はどこかな?それじゃ、みんなで探しに行ってみよう!」と先生がおどけて言いながらフロアーを歩き出したのです。
子どもたちはきゃっきゃと騒ぎながら先生の後に一列になってついていきました。

「あ、発見!」と先生は途中で指をさすと、子どもたちはそれぞれの店に走り寄り、好みのパンをトングでトレーいっぱいに入れました。終わり間際のほんのわずかな時間でしたが、誰もが至福のひと時のようでした。
そう、これが年長クラスと先生の最後のにじいろワークショップの光景です。

今年度のにじいろワークショップを終えた直後に、田中園長に話しを聞きました。
「毎年のことですが、まっさらな状態で入ってくる年中クラスの子どもたちは未知数ですから、この一年どんなふうにワークショップと関わっていくのかな、といったわくわく感が大きいですね。
でも年長クラスは前年のワークショップから見ているので、二年目に入る4月などは楽しみもありますが、全員がうまくステップアップしていけるのか、という心配も正直あります。
それも無事に二年目が終わったいま、年中・年長共に子どもたちの大きな成長をみることができて良かった、と思います」
そう安堵の表情を浮かべながら、さらにワークショップや松澤先生についてこう話してくれました。
「年間を通して、わずか11回という時間ですが、子どもたちは本当にその時間を楽しみにしていますし、普段の園のなかでは見せない表情や気づかない個性にも出会えるので私たち職員にとっても貴重な時間になっています。
本来、こちら(園)がワークショップについて提案したり、お願いしたりとお膳立てをして進めるべきなのかもしれませんが、毎回毎回松澤先生に頼り切ってしまい、園の事情などを汲んであれこれと進行してもらっているので、感謝しかありませんね。
また先生は子どもたちをよく理解してくれていて、同じようなテーマや内容であっても、その都度その学年に応じたアレンジを加えてくれるので、つねに新鮮な気持ちで臨むことができます。
そして何より、子どもたちが一年を通して、どの回も楽しく過ごし、そのなかでたくさんのことを学んだり、体験して、成長してくれることが一番うれしいです」

また園長同様に、今年度も一年間ワークショップの運営や準備をサポートしてくれた中村主任保育士は、
「ここでは集団というより、子どもたちひとり一人の個性や秘めた力が発揮できる場であり、松澤先生がそれを上手に引き出してくれるので、ワークショップは園としても特別なカリキュラムです」
にこやかにそう言いました。
そこで、毎回事前にさまざまなものを準備するのも大変な業務ですよね、と尋ねると
「大変なこともありますが、松澤先生とは密にコミュニケーションを取れっているので、私からは子どもたちのことや園の状況などをお伝えし、最終的には必要なものを的確に、効率よくそろえることができるんです」
と答えてくれました。

当ワークショップが毎回無事に進行していけるのは、こうして園と松澤先生が一体になって動かしているからだということがよくわかります。つまりは、互いの信頼関係があってこそのことです。
にじいろワークショップは来年度以降も、この関係性を高めて子どもたちによりよい〈アート環境〉を提供し続けていくことでしょう。

天然素材のクラフト紙を主役に、「紙」の文化を次世代へ伝えたい

最後に、にじいろワークショップを企画・指導する松澤先生に総括していただきました。
「今回の〈クラフト紙〉ですが、この素材のおもしろさを知って欲しいというのが第一にありました。
くしゃくしゃにしても、まるめて押しつぶしても丈夫でめったなことでは破れないですし、思い通りのかたちをつくるのも容易という、紙としてはとてもユニークな素材です。
また、これは天然素材でリサイクルが可能ですから、環境に優しいということでいま身近なものにも多く活用されている注目の素材です。
なにしろSDGs(持続可能な開発目標)の時代ですからね、そうした観点からも最適な素材といえます。もちろん、そうした意味合いを含んでいることなどは言及しません。いつも言うように、どうこう説明する前に、そのものと直接触れて、子どもたち自らが何かを感じとることが一番大事だと思っています」

先生は〈クラフト紙〉について話すと、続けてこんな思いを口にしました。
「いまって、紙自体が日常生活から少しずつ無くなっているような気がします。事実、電子化が浸透して世の中の仕組みが〝ペーパーレス〟を目指しているからでしょうか。そういう方向へ向かうのは日本ばかりか世界的な流れなので仕方ないことかもしれません。
でも、本当にそれが正しいのか、という疑問は持っています。おそらくこれから先になって、現実に紙の存在価値が失われはじめたころに議論されるのではないかと思うのですが、そのとき中心で論じ合うのはここに居る子どもたちの世代ではないかと考えると、そういう意味でもいまからしっかりそのものに向き合っておくことが必要じゃないかと考えています」

ふり返ってみると、この一年さまざまテーマで、さまざまな素材を活用してきましたが、ひとつひとつをよく見てみると「紙」の素材を多く採用しているのがわかります。
「時代を遡れば、日本独特の〈アート〉である日本画、絵巻物などは奈良・平安の昔から存在しているでしょ、江戸時代に華開く浮世絵にしてもそうですが、当たり前だけどどれもがみな紙媒体なんですね。紙の文化は日本の〈アート〉と密接な関係にあるということです。
近年までそれぞれの表現方法をより効果的に描くため、さまざまな種類の紙が生まれ、今回の素材のようにどんどん進化してきたように思います。それをもっと先にも残しておきたいという気持ちが個人的にどこかにあるんですね。根本的に紙という素材が、私は好きなのかもしれません」
先生はこんな話しをして、今年度のにじいろワークショップを締めました。

今年度最終のにじいろワークショップはいかがでしたか。
この一年、年中・年長クラスのこどもたち、そして各クラスの担当保育士のみなさん、さらにこのワークショップをお手伝いいただいた多くの職員のみなさんに、お疲れ様とありがとうの言葉をここに記しておきます。

ドキュメンテーション

クラフト紙をモミモミすると、柔らかいのに上部な感触になります。
紙をコネコネ、とパン生地のようにしているうちに本当にパンができそうな気配です。甘いパンに包んだり、ひねったり、まるめたりしておいしそうなパンをつくり、トレーに乗せて、オーブンに入れてパン屋さんの完成。
街の魅力的なパン屋さんをみながら、あおぞらパン屋さんができたら面白いなと思いました。
おいしいものをつくるのは、どの子も大好き。
パンをモチーフにした絵本もたくさんあります。
これまでやったことのないテーマですが、楽しいお店が出来上がりそうです。

written by OSAMU TAKAYANAGI

【東京都】アレルギー疾患対策推進強化月間(2月)

2025年2月11日 火曜日投稿

都では、アレルギー疾患対策基本法(平成27年12月施行。以下「法」という。)に基づき、平成29年度に策定した東京都アレルギー疾患対策推進計画を令和4年3月に改定し、アレルギー疾患対策を総合的に推進しております。 毎年2月を『東京都アレルギー疾患対策推進強化月間』(以下「月間」という。)とし、様々な普及啓発活動を実施しております。

3/18 子どもの発達・ことば個別相談会

2025年2月7日 金曜日投稿

「ことばの遅れを指摘された」「吃音が出てきたみたい」「発音の間違いが気になる」など、お子さんのことばに係わる悩みや心配に、言語聴覚士がお子さんの様子を観察しながらお答えします。

実施日時

2025/3/18(火) 9:00~17:00 ※申込締切 3/10(月)
※相談時間は40分程度となります。
※相談にはお子さんと一緒にお越しください。

相談場所
発達支援Kiitos羽村 相談室
(羽村市五ノ神3-15-11 コスティール沖201)
相談員
中塚誠先生(言語聴覚士・発達支援Kiitos羽村アドバイザー)
言語聴覚士の養成校で常勤講師として働きながら、付属する「ことばの指導相談室」で11年間臨床を行う。現在はフリーとして保育園や幼稚園、特別支援学校を訪問し、支援者や保護者への支援や講演を行いながら自治体のことばの教室で臨床を行う。
料金
無料
社会福祉法人陽光福祉会の地域貢献事業として実施しているため、料金は一切かかりません。
申込方法
下記アドレスの申込みフォームからお申し込みください。
https://forms.gle/PzHR1LbHYeBM7RP29

【羽村市】2/11 ポットラックピクニックvol.8

2025年2月5日 水曜日投稿

ポットラックピクニックvol.8

日時

令和7年2⽉11⽇(火・祝)
午前11時から午後4時

場所

S&Dスポーツパーク富士見内(富士見公園) 子ども広場

主なプログラム

手づくりおもちゃ教室とおもちゃ病院/焚き⽕(焼きたい⾷材を持ち寄り)/
ガーランドづくりワークショップ and more…!

ポットラックプロジェクト公式サイト

https://www.city.hamura.tokyo.jp/prsite/0000018457.html

【羽村市】羽村市公式LINEの子育てメニューがもっと便利に!

2025年1月28日 火曜日投稿

羽村市では公式LINEを運用しておりますが、令和7年2月1日から「子育て」メニューのリニューアルが行われました。
「妊娠・出産」「子育てサポート」「あずける」「おでかけ」「各種相談」「子どもの健康」の各種情報が得られるようになります!
羽村市公式LINEの友だち追加後、「子育てメニュー」をタップし、詳細をご確認ください。

【羽村市公式LINE友だち追加方法はコチラ】

https://www.city.hamura.tokyo.jp/0000018468.html

【にじいろWS 2025-01月】お正月の新巻鮭をテーマに

2025年1月21日 火曜日投稿

暮れからお正月の風物詩だった日本文化を、子どもたちに知って欲しい、伝えたい

2025年最初のにじいろワークショップは、当園の栄養士並びに調理師との共同企画で、〈食〉と〈アート〉のコラボレーションです。
この共同企画はここ数年暮れの12月に行ってきましたが、今回は新年幕開けの1月となりました。
それは何と言っても、「新巻鮭」がテーマだからです。
そう言われて、どれほどのひとがピンとくるでしょうか。おそらく世代によって異なると思います。
例えば、昭和生まれ(~1989年まで)の方ならほぼ納得するでしょうし、平成でも初期(~199X年)くらいまでに生まれていれば頷ける方もいるでしょう。
端的に言えば、「新巻鮭」はある時期まで暮れから正月にかけてどこでも見られた日本の風物詩のひとつでした。
特に昭和の頃は近所のスーパー(鮮魚売り場)はもちろん、商店街の魚屋の店頭でもごく当たり前に見られたものです。
それがいつの頃からか、築地の場外や上野のアメ横といった限られた場所でしかお目にかからなくなりました。

そんな「新巻鮭」ですが、その歴史を紐解くと室町~平安時代にはすでにその存在の記述が残されています。
実際に塩漬けにした鮭は平安時代に作られはじめ、宮中の行事や時の権力者への貢ぎ物として利用されるほど貴重なものだったようです。
それが広く庶民の間で食べられるようになったのは江戸時代以降だそうです。
江戸時代後期からはお歳暮の贈答品として一般的に贈り、贈られるようになり、それが昭和の時代までお歳暮に「新巻鮭」を贈るという習慣が根付いたとか。
そうしたお歳暮としていただいた鮭は、正月のおせち料理といった特別な料理の品として食卓を彩りました。
暮れから正月にかけて昔から珍重されたのは、鮭には「災いを避け(サケ)る」という意味が込められている、また卵であるイクラは「子孫繁栄の象徴」ともされているということで、新年の正月には欠かせない縁起物として愛されてきました。

前置きが長くなりましたが、この「新巻鮭」を今回の主役に据えたのは、こうした歴史的背景を含めて子どもたちに〈日本の文化〉としてのそれを知って欲しいということ、また次世代へ伝えておきたいということ、それが今回のテーマとなった大きな理由です。

にじいろワークショップを企画・指導する松澤先生は、こう話しました。
「食育とのコラボ企画を練る際に、私が子どものころ年末に新巻鮭を1本購入し、それを父が切り分けて大晦日の夜に食べる習慣があったことを想い出したのです。それは暮れから新年にかけての食の体験であり、どこの家庭でもその時期にはそうした家族の習慣、強いていえば日本人の習慣があったはずです。
そこでこのワークショップを通じて、日本古来のそうした食文化、つまり食物に願いや祈りをこめて新年を迎えるというような日本独特の文化を、どんなかたちにせよ子どもたちに伝承できたらな、と思ったのです」
それにすぐさま賛同したのが、やはりそうした体験を持つ当園の田中園長でした。
こうして、今回の「新巻鮭」をテーマにしたワークショップが実現しました。

栄養士のお話しから、ワークショップ初「鮭の解体ショー(!?)」まで

「新巻鮭(あらまき さけ・ざけ)」は、頭を残してエラと内臓を取り除き、塩漬けにしたものです。それを熟成させるために、吊るして保存しておきます。
余談ですが、鮭で有名な新潟県村上市では、頭ではなく尾を上に吊るしています。それは、「首吊り」を連想するのでそれを嫌ったとも、城下町であったため鮭でさえも殿様に頭を高くできなかったとも言われています。いずれにしても、ほんとうに鮭と日本人との関りには長い歴史があります。
この名称についても、もとは荒縄で巻いたところから〝荒〟巻鮭とも呼ばれていましたが、江戸時代後期に〝新〟巻という漢字が定着し、明治時代には〝新しい〟鮭、または〝新たに〟採れた鮭という意味で「新巻鮭」と言われるようになったとのこと。いろいろ調べてみると面白いですし、奥深さを痛感します。

今回の「新巻鮭」ですが、生まれて4年(歳)目の、北海道根室産の新鮮な鮭です。
ワークショップ当日の朝一番に、全長50cm超の四尾の鮭が届きました。
到着後、園長と担当保育士で悪戦苦闘しながら頭部分に紐を通し、二尾の鮭をホールの天井から吊るしました。

ご記憶にある方は、にんまりとされるでしょう。
暮れになって店頭に並ぶ「新巻鮭」は、こうして頭を上に縄で吊るされた状態で売られていました。
それがずらっと並んだ光景は、それはもう見事なものでしたし、その光景を見ると当時の子どもたちは暮れの忙しなさを感じ、もうすぐ来るお正月のことを思い描いたものです。

それにしてもこんな大きくてりっぱな、しかも吊るされた鮭をここで見られるなんて思いもしなかっただけに、いきなり目に飛び込んできたこの光景にはとにかく驚きました。ほかの保育士も、松澤先生も、やはり予想もしなかったその光景に驚愕していました。
当然ですが、年中・年長クラスの子どもたちもその光景には驚きというか、かつて見たことのない状況が目の前に在る、そんな奇妙な感じだったのでしょうか・・・言葉を失いながらも、その吊るされた鮭への視線だけは逸らすことなく部屋に入っていきました。

年中・年長クラス共に、はじまりは当園の関塚郁美栄養士が子どもたちに「新巻鮭」のお話をしました。
天井から吊るされたひとつの「新巻鮭」の前に子どもたちを集めて、鮭という魚について、そして吊るされている鮭がいまどのような状態になっているのかなど、関塚栄養士が具体的に鮭のお腹部分を開いて見せながら子どもたちに話していきました。
年中・年長クラスの子どもたちは、共に初めて目にする大きな鮭のお腹の中を興味深くのぞきこんで、「すごいなぁ」と驚いたり、「へ~」と感心したり、「(生)臭いよ」、「これ食べられるの?」なんて言う子もいて様々な反応を見せていました。

関塚栄養士の鮭についてのお話しが終わると、先生がほかの鮭一尾を抱えて子どもたちの前に登場しました。
吊るした鮭以外の一尾をあらかじめサランラップでぐるぐる巻きにして、直接ひとの皮膚に触れないような状態にしておいたものです。
またまた子どもたちはその鮭を見てびっくりです。目の前に吊るされている鮭も大きく見えたけれど、実際に先生の腕のなかで抱かれていると、人間の赤ちゃんくらいに大きく見えました。
先生は、見るだけでなく実際に触れることも重要だから、ということであらかじめ準備しておいたのです。
年中・年長クラス共に、ラップで厳重に包まれた鮭でしたが、順番にひとりずつその鮭を自らの手で抱きました。
「でっかいなぁ」とはしゃぐ子、「重いよ」と言う子に「軽い、軽い」って応える子、「獲ったど~!」とおどけて頭の上に掲げる子、一人ひとりが確実に自分の感触でしっかり鮭という魚を体感しました。

ところが今回はこれだけでは終わりませんでした。
その鮭を子どもたちの目の前で解体することにしたのです。
解体とは、最近よくテレビなどでも話題になる、いわゆる「解体ショー」のことです。本家のそれはマグロが対象で、さまざまな演出を施しながらプロの料理人が自らの包丁捌(さば)きを見せるというエンターテイメント性に富んだイベントです。
でも、ここで行った〝あおぞら版「解体ショー」〟の対象魚は鮭ですが、本家に負けず劣らず、迫力があり見ごたえ十分でした。

今回鮭を捌(さば)いたのは、吉永弘美管理栄養士です。吉永管理栄養士は、同列の「太陽の子保育園」で子どもたちの食事に関する栄養管理・指導などを行っていますが、この日は当園でその包丁捌(さば)きの腕前を披露してくれました。
まな板に鮭を置き、子どもたちの目の前で~とはいえ包丁は危険なのでテーブル越しでしたが~手際よく捌(さば)いていくその光景に、子どもたちはもちろん、保育士たちも釘付けでした。
最後に本体から切り取ったその身を、さらに均等の大きさに切り分けていきました。
するとある子が、
「あ、スーパーで売ってる鮭だ!」と、ようやくそのことに気づいたようで、周囲の子どもたちも「ほんとだ、見たことある」と口々に発していました。
鮭の切り身は見知っていたものでしたが、その本体というか、そのものの正体がまさかこの大きな鮭の一部分にすぎなかったということにも驚いたようです。
確かに、子どもたちにとって、鮮魚売り場で見かける鮭はすでに切り身の状態ですし、お昼の給食で出る鮭も、お弁当のおかずも、鮭はどれも切り身ですからね。

実はこれだけで終わらず、ワークショップの終わりにはあるご褒美が待っていたのですが、それはまた後ほどということで、いよいよ本来のワークショップの制作に入りましょう。

吊るされた「新巻鮭」をモチーフに、じっくり観察し、墨一色で描きます

アートの観点から鮭といえば、明治初期の洋画家・高橋由一(たかはしゆいち/1828~1894年)の描いた『鮭』が有名です。画家の名前や作品名が思い浮かばないとしても、作品を見れば「あ、これかぁ」と想い出す方は少なくないはず。まさに、吊るされた「新巻鮭」(解体ショーで子どもたちが見た、半身を切り取った姿)そのものが描かれています。

今回のワークショップは年中・年長クラス共に、「新巻鮭」を墨一色で描くというのが課題です。
準備はすでに吊るされた鮭でほぼ完了ですが、ワークショップとしては次の材料を用意しました。
まずは、絵を描くための用紙として障子紙(ひとり50cmほどに切ったもの)を人数分。
そしてそこに画材となる墨汁と、それを数人で取り分けるための容器(墨汁入れ)。
この容器については牛乳パックを半分に切り、その切り口に筆を置けるような切り込みを入れたものを保育士らの手で1個1個作成しました。
それから水彩用の筆を人数分、最後に筆洗器と用紙の下敷きに使用する古新聞などです。

簡単に「新巻鮭」を描く、と言えばそういうことですが、実際はなかなか難儀な課題です。
第一に対象物としっかり対峙しなければ描きこなせない、つまりじっくり観察してそのものの本質を知るということが必要になります。想像の物ではないので、思いつくまま自由に勝手に筆を運ぶわけにはいきません。
ただ子どもたちはすでに対象物とは十分に向き合ったのではないでしょうか。表面的な姿かたちは視覚的にも感触的に体験しましたし、その中身までじっくり観察したのですから。
さらに決められた用紙のスペースに対象物を過不足なく、きちんと収まるように描くためにはどの位置のどの部分をどのくらいの割合(大きさ)で構成していくかということも重要です。
しかも対象物は天井から吊るされた鮭ですから、この時点で用紙の扱いは縦位置になります。子どもたちはこれまで絵を描くといえば、通常扱う用紙の位置は横でしたから、だいぶ不慣れな構図となります。
こうしたことから、先生は敢えて子どもたちに余計な説明はしませんが、実は取り組み方次第ではかなり高いハードルへ挑むことになります。

そこで、先生がはじめにお手本を示しました。
吊るされた鮭を目の前に見て、縦位置に用紙(障子紙)を置き、途中なんども筆を止めては鮭の姿を観察し、それに応じてゆっくり筆を動かしていきました。
先生自身初めて鮭を描くとかで久しぶりに緊張したそうですが、見事にそれを仕上げて見せました。

先生はそれを示しながら、
「最初に自分はどこから見た鮭を描きたいのか、どれくらいの位置から見たら画けそうか、そういうことをよく考えて、その場所を見つけてください」と指示しました。
子どもたちは天井から吊るされた二つの「新巻鮭」の周りをぐるぐると歩き回り、それぞれがその位置を決めました。それが決まったら下敷きにする古新聞と用紙とする障子紙を受け取ります。
ここまでは順調だったものの、じっくり見て、それを描くとなるとなかなか筆が動きません。
それも、無限大の用紙に好きなように描き込むのではなく、目の前の限られた大きさの用紙に描くとなるとさすがにそう簡単ではないな、というのが分かります。
なかには「むずかしい」とか「(どう描くのか)わからないよ」といったことを正直に口に出す子もいました。
それでも、そこはワークショップで鍛えあげられた子どもたちです。
最初の一筆を入れると、意外にどの子もどんどん筆を動かしていきました。

ふと、それを見て気づいたのは、当初懸念していた用紙を置く位置のことですが、そこは年中・年長クラス共に誰ひとりとして横位置で描く子はいませんでした。先生は他園での経験から、何人かは描きづらさを理由に対象物が縦位置にもかかわらず、用紙を横位置に置いて描いてしまうこともあるので、と言っていたので若干心配していましたが余計なことでした。
それから対象物を限られた用紙のスペース内に収めることができるのか、という点ですが、なかにはどう見ても強引に無理やり収めたな、と思う子もいましたが、ほぼ全員が指定された用紙のなかに「新巻鮭」を描き込むことができました。

ここまでは目に見えるかたちを線で捉える作業です。次に、それが済むと先生は再び子どもたちを集めて仕上げについて話しました。
仕上げは色付けですが、色といっても墨一色です。イメージとしては、墨絵の世界です。
墨は薄め方次第で、見え方(濃淡)を何段階にも調整することができます。
先生は筆洗器に水を入れ、今まで使っていた墨汁のついた筆をそのまま水に浸しました。その瞬間透明だった水が黒く濁りはじめました。
それから先生は先ほど見本として描いた鮭の絵に、ほどよく水に浸したその筆をそっと下ろして、ウロコ部分や背びれ部分などに色付けをするように塗っていきました。すると、墨汁の黒色が水で薄まりグレーに変化して、ウロコや背びれが淡いグレーに染まりました。
子どもたちは、墨汁で真っ黒になった筆をただ水に浸すだけで、黒色がいかようにも変化することに興味を示しました。

子どもたちも古新聞の上であれこれ墨の濃さを試しながら、さっそく実践です。
コツを覚えて上手に濃淡を調整する子、うまく水に浸せず水分ばかりが多くなってせっかくの絵がすべて薄くなってしまった子、水に浸しきれずに真っ黒なまま塗ってしまってさらに画面が真っ黒になってしまった子・・・。
でも、なんとかどの子もそれなりに作品としてまとまりました。

 

全員の仕上がった絵を一か所に集めて、今回のワークショップは終了です。
と、そのときに年中・年長クラス共に、なんとまさかのご褒美が待っていました。
それは子どもたちの目の前で捌(さば)いた切り身をその場で焼いて、一口程度でしたが子どもたちに配り、みんなでそれをいただきました。どの子も笑顔で、ごちそうさま!
もちろん、切り身はその後の給食で全児童が食べられたのですが、給食前にちょっとつまみ食いさせてもらったことに、子どもたちは大満足でした。

まさに五感(視・臭・触・聴・味)で体感したワークショップでした

ある水産会社の調査によると、日本人が好きな魚の1位は鮭だそうです。ちなみによく食べる魚ランキングも1位だそうです。また国内でもっとも鮭の漁獲量が多いのは北海道で、国内シェア80%だそうです。今回の鮭も北海道根室産でしたね。
鮭にまつわる話しというだけで、まだまだたくさんありました。紹介できませんでしたが、熊の木彫りの人形と口にくわえている鮭の話し、映画に登場する「新巻鮭」のこと、釣り好きな作家のエッセイに登場した鮭は・・・、漫画『サザエさん』の登場人物フグ田マスオの兄がフグ田サケオ、海外でも米国の作家R・カーヴァーの「夜になると鮭は/川を出て街にやってくる・・・」といった詩について、などなど、ほんとうに色々ありすぎてどれを紹介しようか迷ってしまうほどでしたが、「それはワークショップと関係ないでしょ」とダメ出しの声が聞こえてきそうなのでここまでとします(失礼しました)。

では、最後ににじいろワークショップを企画・指導する松澤先生に締めていただきましょう。
「モノをじっくり見て描く、これがすべてです。今期も残りあと一回ですが、これまでそういう創作を行ってこなかったので、タイミングとしては良かったと思います。
対象物を描くって、静かにそのモノと対峙するってことですから、ある意味自分を見つめることにもなります。それってやはり〈アート〉の基本ですからね。
また対象とするモチーフが今回は本物(現物)だったことは大きいです。本物が持つ〝力〟って迫力を感じますし、なにより描く者を魅了してきますよね。子どもたちの視線を無言で集めて、最後まで飽きさせずに離さなかったのですから、その凄さは肌で感じたはずです。

 

それから墨一色で描いていく、ということですかね。さまざまな色彩を塗り重ねていくと、意外にごまかすことができますが、黒一色、それもその濃淡をつくって表現することは簡単なことではないです。
それに対象物を考えると、やはり〝和〟ですから、自ずと墨絵の世界が一番ふさわしいような。
でも、子どもたちは新たな試みに対して果敢にチャレンジしてくれました」

先生は満足そうにそう話すと、さらにこう付け加えました。
「五感で体感する、って今回のようなことかもしれませんね。視覚でまずはじっくり観察し、臭覚で生臭さを嗅いで、触覚でそのものを実感し、聴覚では表面をペタペタ叩く音、包丁を入れて身を切る音、骨に当たる音など。
そして最後はみんなで味わった味覚。すばらしいワークショップになりました」

終了後、当園での「食育」について田中園長に尋ねてみました。
「毎日給食時には調理師が各教室を回り、今日の食材についての説明や子どもたちからの質問に答えるなどしているので、子どもたちも栄養士や調理師とも親しく接していますし、日常で食べることの大切さ、食材に対する意識みたいなものは自然と身についていると思います」
と即座に話してくれました。
そして園長からもこんな感想を聞くことができました。
「それにしても、子どもたちがこんなにも目を輝かせて、終始鮭のことを見つめている姿には感動を覚えました。これを機会に、大切にしてきた日本の食文化などに興味をもって、記憶にも五感にも残ってくれたら嬉しいですね」

*今回のことは当園ホームページの2025年1月9日(木曜日)の「給食ブログ」にも紹介されていますので、そちらもご覧ください。

ドキュメンテーション

私が子どもの昭和の時代、年末に新巻鮭を1本購入し、それを父が切り分け大晦日の夜に食べる習慣がありました。
お正月の「おせち」に代表されるように「食物」に願いや祈りをのせる文化は長らく日本にあります。
「食」をめぐる環境や好みなどは変わりつつありますが、その考え方は日本人が生きてきた歴史やお思いを感じさせるものであり、次世代にも伝えていくものに入るのだと感じます。
今回は調理室とのコラボ。
鮭そのものの迫力を目で見て感じとり、食文化にも触れ、「鮭」を前にその感動を制作に表したいと思います。

written by OSAMU TAKAYANAGI

【にじいろWS 2024-12月】冬の野鳥を感じて、つくってみよう

2025年1月6日 月曜日投稿

自然のなかに棲息するたくさんの鳥たちに、もっと目を向けて欲しい

2024年を締めくくる12月のにじいろワークショップ。
今回のテーマのポイントは冬の〈野鳥〉です。
当ワークショップを企画・指導する松澤先生は、これまでも自然、それに伴う環境等を念頭に置いたアート活動を行ってきました。
今回もその一環として、自然を意識したテーマを提示しました。

【にじいろWS 2023-8月】木を立てよう

先生はそのことに触れ、このように話しました。
「自然のなかにはさまざまな動物や昆虫はもちろん、樹木や草花なども含めると生命あるものがたくさん存在します。
それらは普段見過ごしてしまいがちですが、意識的に観察する、触れてみることで自身の生を感じることにも繋がります。
改めてワークショップをふり返ってみても、幾度となく扱ってきたテーマです。
ただ、テーマの対象はいずれも子どもたち自身が同じ目線で捉えることができるものでした。
気づいたのですが、意外と捉えづらいのは、鳥の姿なんですね。
声は聴こえても、目線を頭上に移す必要がありますし、木々の枝葉に隠れているのでその姿を捉えることは難しい。
例えば鳩やカラスといったものは日常でも観られますが、滅多に観ることのないもっと多くの野鳥をじっくり観察することはなかったように思います。
ちょうどいま冬になって木々の枝葉がすっかり落ちてしまったので、珍しい野鳥を肉眼でも捉えやすくなりました。
特にここ羽村市は自然豊かな土地ですから、子どもたちの散歩コースでも容易にたくさんの鳥たちと出会えるはずです。
このワークショップを通して子どもたちにそんな鳥たちの存在にもっと目を向けて欲しいなぁ、と思い、それをモチーフに何ができるだろうかと考えたわけです」

確かに、冬は鳥の姿を観察しやすい季節だと聞きます。
またこの季節は、越冬のために寒い国から鳥たちが日本へ渡って来ますし、山地から平地に移動するなど普段なかなか見られない種類の鳥たちにも身近な場所で出会える機会が多くなります。
そこで今回のワークショップは、先生の思いがそのままかたちになるよう〈野鳥をつくる〉という創作に結びつきました。
子どもたち自らが鳥を観て、感じて、それを自分自身の手でつくるのです。
作業は一見簡単ですが、そこはもちろん、子どもたちそれぞれの発想力とアート的な要素が存分に活かされた、オリジナリティーあふれる作品づくりを目指します。

プロジェクターによる屋内での野鳥観察(!?)から野鳥づくりへ

いつものことですが、まずはワークショップの準備です。
主要な素材は紙コップですが、今回はその底を切り抜く作業からかかりました。
切り抜くといっても、底をすべて取り除くということではありません。ほんのわずかですが、コップ本体と切り離さない部分を残します。これは後に鳥の顔の部分になります。
さらにその紙コップの側面に、飲み口部分から底に向かって両面テープを1本貼っていきます。
但しその貼る位置は、紙コップの底と本体とが繋がっている部分の上とします。
それは両面テープの位置が鳥の顔部分の上、つまり背中の部分に当たり、ここへ鳥の翼を付けるのです。

さすがにこの一連の作業を子どもたちにやらせるには時間と手間がかかりすぎるので、これは保育士さんたちにお任せです。
それから色画用紙(白・青・赤・緑・ピンクなど)を用意し、それを帯状の長方形として使用するため、通常サイズのものを横位置に3~4等分断裁。これは鳥の翼部分を作成する際の素材です。
そして今回はなんと、園長が天然素材の羽根(実際の鳥の羽根)を特別に用意してくれました。
それは、一般的に工作用や趣味の衣装、帽子、アクセサリーなどへの装飾用に使われている素材です。
天然の羽毛から選別され、高温処理が施されているので、さまざまな色に着色されていても人体への害はありません。
本物の羽根まで使用できるなんて、ちょっと贅沢な作品になりそうです。

それ以外にはクレヨン、ハサミ、接着剤としてのボンド(綿棒でつけます)。
そうそう、贅沢といえば、先生も特別に私物のクレパスを用意しました。子どもたちにとっては新しい画材体験となりますが、これはまた後ほど紹介します。
最後はプロジェクター機器一式の設置と動作確認です。
しかし今更ながらですが、松澤先生の指導書に基づいた準備作業を、毎回毎回細かな点もひとつとして漏らさず、怠ることなく、常にベストな環境づくりを遂行してきた園長をはじめ保育士らへの努力には敬服するばかり。
この一年、毎回無事に、楽しくワークショップを行えたのもこうした表には見えないサポートがあったからです。
唐突ながら、職員のみなさんに心から感謝ですね。

これで準備は整いましたので、早速本編へ入りましょう。
理想を言えば、屋外の木々のある場所で、実際に野鳥を観察してからはじめるのがベストですが、なかなかそうはいきません。
なので、ここは年中・年長クラス共にプロジェクターを使って、いまの季節に身近で観られる野鳥を画像で鑑賞、いえ〝観察〟することにしました。

冬に観られる鳥たちが次々にスクリーンに映し出されます。
ルリビタキ、ツグミ、シロハラ、カケス、ウソ・・・などなど、それらの写真と共に先生は簡単な解説を加えていきました。
子どもたちはその都度、「からだの色や模様がきれい!」「変な名前だなぁ~」「そんなの、ほんとに居るの?」「だるまみたいに丸くなってるよ」「くちばしが尖っていて、痛そう」と思い思いの発言をしました。
先生も子どもたちと一緒になって面白いことを言ったり、写真の鳥の姿を真似てみたりと、終始笑いの絶えない屋内ならではの野鳥観察となりました。
こうして子どもたちは、それぞれ自分だけの冬の野鳥のイメージを頭のなかに刻み込んでいきました。
さあ、ここからいよいよ野鳥づくりです。

年中クラスの子どもたちは、最初に園長が用意した天然素材の羽根を見せることにしました。
たったいま画像で見たばかりの鳥の羽根ですから、子どもたちが描いたそのイメージをより現実的で明確なものにしてくれるはずです。
経験の浅い年中クラスには、一段階ずつ確実にギアを上げながら指導していくのが最適な方法だからです。
子どもたちの反応は予想通りでした。
「あ、鳥の羽根だ!」とすぐさまそれを認識して、全員がその羽根から〈野鳥〉へのイメージや好奇心を高めていきました。
ましてや実際の羽根を見ることも、触ることもそうそうないことですからね。

次に先生はその羽根を手にすると立ち上がり、頭の上からそれらをまき散らしました。
宙にまかれたたくさんの羽根は、ふわふわとゆっくり舞い降りていきました。
子どもたちのいく人かは舞い降りるその羽根を手でつかもうと立ち上がりましたが、羽根はその子らの手をするりと抜けて落下していきました。
先生は何度かそれを繰り返し、子どもたちはその度に羽根を追っては大騒ぎです。

この行為によって、鳥の羽根がいかに軽く、柔らかくできているかを子どもたちは身をもって知ることができました。
それから先生はようやく今回の重要な素材となる紙コップの話しにうつりました。

これに対して年長クラスは、事前に先生が見本としてつくった〈野鳥〉の完成形を見せることからはじめました。

年長クラスの子どもたちは、完成へたどり着くまでの創作過程をある程度自分自身で想像できると思われたからです。少なくともこの2年弱という時間で、どの子にもそれ相応の経験が蓄積されているはずですから。
先生は、すぐさま紙コップを取り出して具体的な説明に入りました。

総仕上げは天然素材の羽根と、初めて体験する「パステル」画材で

創作の手順や素材選びなど具体的な内容については、年中・年長クラス共に同じです。
先生はあらかじめ準備した紙コップを手に取ると、すかさず飲み口の部分から自らの手を差し込みました。
子どもたちは何気なくその様子を見ていましたが、その差し込んだ手の先が突然紙コップの底を突き抜けて飛び出してきたのには誰もが驚きました。
でもすぐさま子どもたちは笑いながら「なんだそれ?」「どうなってんの?」と口々に騒ぎはじめました。
先生はそのままの状態で手首を上下左右に動かしました。するとごくごく普通の紙コップが、まるで何かの生き物のようにごそごそと動き回っているように見えました。
もうそれだけで子どもたちは興味津々です。
そこで子どもたちにも同じ紙コップを渡しました。当然のことながら、子どもたち誰もが早速手を差し込んで先生の真似をしてはしゃいでいました。

それから先生は、一部分が本体と繋がっている紙コップの底の丸い部分を指して、
「この丸い部分が、鳥さんの顔です。いまから顔をつくりますね」と言うとその部分に目を二つ描き入れました。
次に先生は色画用紙の切れ端を取り出して、
「こんどは鳥さんの口ばし部分をつくります」と言いながらハサミで小さな二等辺三角形の形を切り取りました。
その切り取ったた二等辺三角形を、目を描き込んだ紙コップの底の、本体から切り離された部分の中央あたりにボンドで貼り合わせます。口ばしの位置としては、紙コップの側面に貼られた両面テープと反対の位置(真下)にくるようにします。
「これで鳥さんの顔と口ばしができたので、(紙コップの側面を指して)ここにも色や模様をつけようか?」と先生は言い、クレヨンで模様を描き出しました。
みるみる鳥の顔と胴体の部分が出来上がりました。
子どもたちは、それを見習ってここまでの創作をはじめました。

そして仕上げは、そう、もっとも鳥を象徴する翼づくりです。
この翼づくりこそ、それぞれの個性が際立って見える部分でもあります。
先生は、先に準備した帯状の長方形に断裁した色画用紙を1枚テーブルに置き、それをぴったり二つに合わさるよう折りました。
二等分に折ったままの色画用紙の下部に、まずはハサミでギザギザに切り込みを入れました。それから上部は、翼の形をイメージして滑らかな曲線を描くように切りました。
それを折る前のように広げると、左右対称に切り込みが入り、見事な翼の形が出来上がりました。
さらにその翼にも模様を描き込み、先生オリジナルの翼が完成しました。
子どもたちもすぐに自分のイメージする鳥の翼にふさわしい色の色画用紙を選び、先生の指示通りそれを二等分に折って、各々好きな形にハサミを入れていきました。
それが出来上がると、どの子も自分の翼に模様や色付けを描きはじめました。
そのとき、先生は別のテーブルに二つのものを用意しました。

ひとつは、園長先生が特別に用意した天然素材の羽根です。
これは同じものがないので、各自で好きな色や大きさのものを自由に3本だけ選び、自分のつくった鳥に取り付けてよいということにしました。
そしてもうひとつは、先生が日頃使用している「パステル」です。今日のために持参したもので、もちろん子どもたちはこれまで使うことのなかった画材です。
「パステル」という画材は、乾燥した顔料(粉末)を粘着剤で固めたもので、一般的にはクレヨンのように筆などを使わずに直接画用紙などに描き込みます。
とくに柔らかなタッチを表現したい場合やグラデーション効果を望むときなどは、指やコットン素材のもので塗り込んだり、こすったりすることで優しい雰囲気を描けるという特徴があります。

今回どの子も、天然素材の羽根と初めての「パステル」で総仕上げを行いました。
羽根は付ける場所によって随分完成のイメージが変わるので、子どもたちはその場所に頭を悩ませていましたが、それもまた作品づくりの楽しい悩みです。
「パステル」は、やはりうまく使いこなせない子が多かったのですが、その手に残った描き具合や指先で塗り込んでいくという感触はとても良い経験になったはずです。
最後は紙コップの側面に付けた両面テープの剥離紙をはがして、そこへ翼を貼り付けます。翼づくりの際に二等分にした折り線をそのまま両面テープになぞるように付着させればバランスよく、きれいに貼れるでしょう。
これで、すべての創作は完了です。

ワークショップ終わりには子どもたち全員で野鳥の胴体に手を入れ、ゆっくりまたは小刻みにそれを一斉に動かしました。
その動きに合わせて、どの子の翼もまるで意志をもったかのようにパタパタと羽ばたき出しました。
いつの間にか、子どもたちの感嘆の声があちらこちらで上がり、同時に終わりのご挨拶をしてそれぞれのかわいい野鳥たちが宙を舞いながら退室していきました。

未来をつくる子どもたちに、自然破壊のないより良い世界を

当園のある羽村市には、約120種類の野鳥が棲息している、と市のホームページにありました。
さらに、この中から保護鳥で、しかも貴重な鳥である「アオバズク」を羽村市の鳥に指定しています、と。
当園の田中園長にそのことを尋ねると、
「多摩川周辺へ行けば、本当にたくさんの野鳥がみられますよ。でも川の流れも昔と違って変わってしまって、年々自然環境も変化していくので、これからはどうですかね」
となにやら心配そうな返答が。松澤先生もそんな話しを聞いて、
「最近スズメが減少してるでしょ?身近に当たり前に居た野鳥がいなくなるって、とても怖いことですよね。ある地域では、逆に今まで棲息していなかった外来種の野鳥が急激に増えているし」
としばらく野鳥談義が続きましたが、これから先の世界をつくり上げていく子どもたちにはやはりもっと自然やそこに棲息する生き物にも目を向けて、大気汚染や地球温暖化など自然破壊のない、より良い未来の姿を築いてもらいたいです、という話しになりました。

では、今年最後も「にじいろワークショップ」を企画・指導する松澤先生の話しで締めくくりましょう。
「まず、行った創作(工作)については特に難しいことはありません。ただ、鳥の胴体に見立てた〝紙コップ〟という素材は本当にさまざまなことに活用できるんですね。これまでのワークショップでもどれほど活用してきたかということを考えればわかってもらえると思います。
今回もそのバリエーションのひとつです。つまり、そういう日常ありふれた、どこにでもあるものでもアイデアひとつでたくさんの使い道があるということ、子どもたちがそれに気づいてくれたら嬉しいですね。
それから、やはり園長の用意してくれた羽根の存在は良かったですね。
鳥の画像だけではなにかリアルさが足りなかったですから…まあ、すでに加工されているので実際の羽根の色とは異なりますが、イメージを具象化しやすかったと思います。飾りとして活用するのは難しかったようですが。
それとパステルですが、これもどこかのタイミングで子どもたちには触れてみてもいい画材かな、と考えていたので良かったです。通常はクレヨン、色鉛筆、サインペン、絵の具が主流で、パステルとなると微妙な色合いを表現する画材なので幼児はなかなか使用する機会はありません。でも、世の中にはもっともっと自分の表現したいものに近づくための画材がたくさんあるので、そんなことも知ってもらえたら、と思います」
先生はここまで一気に話をすると、ほっとしたように笑みを浮かべて、年内最後のワークショップを終えました。

ドキュメンテーション

冬が近づき、空が澄み渡ると、鳥の姿が良く見えるような気がします。
枝葉が落ちて鳥の姿が見やすくなるのかもしれませんが、鮮やかな色の冬の渡り鳥が飛来してくるのかもしれません。
公園や畑、住宅地でも、注意深く見てみると意外とすぐそばに冬の野鳥が餌をついばむ姿を見ることができます。
今回は、私が好きな工作の一つ紙コップでつくる「パタパタとり」をバージョンアップして鳥を感じ、みんなで鳥を連れて羽ばたきたいと思います。

written by OSAMU TAKAYANAGI