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【保護者の皆様】2023年5月8日以降の新型コロナウイルス感染症にかかる対応について

2023年5月2日 火曜日投稿

令和5年5月2日

保護者の皆様

社会福祉法人陽光福祉会
理事長 大庭正宏

2023年5月8日以降の新型コロナウイルス感染症にかかる対応について

新型コロナウイルス感染症が、2023年5月8日をもって五類感染症に移行することに伴い、「保育所における感染症対策ガイドライン(こども家庭庁)」が一部改訂されました。これを踏まえ、あおぞら保育園における2023年5月8日以降の新型コロナウイルス感染症にかかる対応を下記の通りとさせていただきます。

1.臨時休園について

感染拡大防止のための休園(クラス・園全体)

【現行】
園児及び園職員が5名以上同一の感染源から感染したと疑われる場合は休園となる場合がある。

【2023年5月8日以降】
今後は休園は行わない(多数の職員が感染し、職員体制が整わない場合、休園を行う場合がある)。

2.お子さんの登園に関することについて

お子さんに熱や呼吸器症状がある場合

【現行】
園児に発熱(37.5℃以上)や呼吸器症状等の風邪症状が見られる場合は、症状が治まり24時間が経過するまではお預かりできません。

【2023年5月8日以降】
37.5℃を超えた発熱、かつ、元気がなく機嫌が悪い・食欲がないなど、全身状態が不良な場合は登園をお控えください。

お子さんが感染者となった場合

【現行】
症状がある場合は発症日を0日目として7日間経過後(無症状の場合は検査日を0日目として7日間経過後)に登園可能

【2023年5月8日以降】
発症日を0日目として5日間経過後(無症状の場合は検体採取日を0日目として5日間経過後)、かつ、症状が軽快した後1日経過後に登園可能

★詳細は「新型コロナウイルス感染症の出席停止期間について」をご参照ください。

★登園の際には「登園届(保護者記入)」の提出が必要となります。

お子さんが濃厚接触者となった場合(同居家族が陽性となった場合等)

【現行】
5日間は登園停止

【2023年5月8日以降】
登園可能

※5類移行に伴い「濃厚接触者」の特定は行われなくなります。
※陽性となったご家族の方の送迎はご遠慮ください。

3.マスク着用について

2023年3月8日にお知らせした「マスク着用の考え方について」の通りとなります。

※職員のマスク着用については、園内・園外ともにマスクの着用は求めず、職員個人の判断に委ねることとさせていただきます。

4.その他

新型コロナウイルス感染症の陽性が確認できた旨をお知らせする一斉メールは中止とさせていただき、今後は他の感染症と同様に、掲示でのお知らせとさせていただきます。

【羽村市】「コロナ禍における保育施設利用ガイドライン」の廃止と今後の新型コロナウイルス感染症への対応について

2023年5月2日 火曜日投稿

事務連絡
令和5年5月2日

市内保育施設利用者 各位

羽村市子ども家庭部子育て支援課長

「コロナ禍における保育施設利用ガイドライン」の廃止と今後の新型コロナウイルス感染症への対応について

 日頃より羽村市の行政運営にご理解とご協力をいただき誠にありがとうございます。
 今般、新型コロナウイルス感染症に関する対応に変更がある旨、政府から発表があり、令和5年5月7日をもって、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけが変わることから、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」や業種別ガイドラインが廃止されることとなりました。
 それに伴い、これまで市で策定し、皆様に対応をお願いしてまいりました「コロナ禍における保育施設利用ガイドライン」につきましても、同日をもって廃止いたします。
 令和5年5月8日以降につきましては、令和5年5月2日付で改定された国の「保育所における感染症対策ガイドライン」に基づき取り組んでまいります。
 なお、主な変更点は下記のとおりとなりますので、保育施設利用者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

  • ◆ 新型コロナウイルス感染症を発症した場合の登園のめやすは、「発症した後5日を 経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過すること」となります。
    ※無症状の感染者の場合は、検体採取日を0日目として、5日を経過すること。
  • ◆ 濃厚接触者の特定はなくなりますので、家族が発症した場合でも登園は可能となります。家族の発症日(または検体採取日)から5日間は児童の体調に注意してください。
  • ◆ 保育施設における感染防止対策は、「保育所における感染症対策ガイドライン(令和5年5月一部改訂)」に基づく基本的な感染対策に取り組んでいきます。

 保育施設では引き続き、感染症予防など子どもの安全を第一にした取組みを行いつつ保育を実施してまいりますので、保護者の皆様におかれましても日頃からのご家庭での感染症予防・体調管理などのご協力をお願いいたします。
 ご不明な点等がございましたら、下記担当までお問い合わせください。

【問合せ】
子育て支援課保育・幼稚園係
電話042-555-1111 内線241
メール s304000@city.hamura.tokyo.jp

【にじいろWS 2023-4月】紙コップのインスタレーション

2023年4月23日 日曜日投稿

〈アート〉も、子どもたち同様に日々変化し、成長していくものです

ちょうど昨年の4月、同テーマで「にじいろワークショップ」の新年度がはじまりました。
ですから、年長クラスに進級した子どもたちは2度目となります。
もちろん年中クラスの子どもたちにとっては、初めて体験するワークショップです。

同じテーマとはいえ、子どもたちが日々成長し、新しく変化していくように、今年度の「にじいろワークショップ」も、その内容や取り組み方などあらゆる面において新しく生まれ変わっています。
なぜなら、当ワークショップが扱う〈アート〉の世界もまた、日々変化し続けているからです。

昨年はまだコロナ禍の影響も大きく、日常生活も園での生活も思うようではありませんでした。
そんななかでも、子どもたちは毎回毎回持てる発想力と想像力を存分に発揮し、明るく、のびのびと〈アート〉に接してきました。
それはそれで、明らかにそのときにしか存在し得ない〈アート〉がそこにはあり、そのときの〈アート〉を全身全霊で体感してきました。
そう考えれば、今年度には、今年度にしか存在し得ない新たな〈アート〉があるはずです。

これからはじまる新しい一年。
どんなワークショップになるのか、どんな作品が生まれるのか、そして子どもたちがどんな体験をしていくのか、いまから大いに楽しみです。

インスタレーション( Installation )とは?
アートを展示する空間そのものをひとつの作品としてとらえることで、壁・床・天井まで含め、その空間に存在する全てのものが鑑賞の対象となるということを指した言葉です。

ワークショップに欠かせない「全身運動+笑い」から創作活動へ

「ウォーミングアップ」という言葉はもう誰もが知っていると思いますが、これって、なにもスポーツのためのものとはかぎりません。
なにごとをするにも、適度な準備運動は必要です。
からだをならすことで次の動作へスムーズに移れるし、そのことで精神的な緊張や不安を軽減することもできます。
とくに子どもたちが体現する〈アート〉系ワークショップにおいては、これがとても大切になります。

にじいろワークショップを企画・指導する松澤先生は、年中・年長クラス共に、毎回ワークショップのテーマ(本題)に入る前には必ずこの「ウォーミングアップ」を行います。
かといって過度な運動をするわけではなく、遊びながら手足や背筋を伸ばし、全身を軽く動かすことと、子どもたちが大はしゃぎするほどの笑いのツボを刺激します。
これを行うことで、子どもたちの緊張や不安が一気にほどけていきます。
ましてや初めてワークショップに臨む年中クラスの子どもたちには、もっとも有効なはじまりになります。
これは当ワークショップへの導入には欠かせない、先生ならではの〝全身運動+笑い〟による「ウォーミングアップ」です。

まずは年中クラスですが、先生は100個の紙コップが収まっている四角柱の細長いパッケージを数箱取り出して、子どもたちの前に差し出しました。
中身を知らない子どもたちは黙ってそれを見ています。
先生は、いつものように子どもたちの笑いを誘いながら、それをつみきのように立てたり、横にしたり、それからトンネルのようなものをつくって、子どもたちにくぐらせるなど、まさに「ウォーミングアップ」をはじめました。

次にパッケージの中から100個重なった紙コップを取り出し、そのまま煙突のように床に立てたり、手に持ってゆっさゆっさと揺らせてみせました。
ここでも子どもたちの笑いは途切れません。
続いて、その紙コップをひとつ、ふたつと床に並べ、子どもたちにその紙コップの上にさらに重ねて置くように指示しました。
子どもたちは順番に1個ずつ紙コップを積み上げて、いくつかの三角形の山をつくりました。
どこにでもある紙コップなのに、こうして積み上げることでかたちも大きさもみるみる変化していきます。
子どもたちはそのさまを不思議そうに、また面白そうに見つめています。
ワークショップ開始からわずかな時間で、子どもたちは今回のテーマ(本題)にすんなり入っていきました。

さて年長クラスの子どもたちはというと、今回は2度目ということもあり、先生はすぐさま紙コップを一人ひとりに渡して
「みんな覚えているかな、去年もやったよね?」
と問いかけました。
もちろんその返答は
「おぼえてる!」
「やったよ」
とホールに響きわたる大きな声。
どの子も紙コップを目の前にして、瞬時に昨年の記憶がよみがえったようです。
先生は「さすがに年長さん!」と言いながら、子どもたちに紙コップを配りはじめました。

こうして、年中・年長クラスの子どもたちはテーマ(本題)の創作活動に入っていきました。

おとなの感性などはるかに超えた、子どもたちが創造する世界

より高く、より大きく、より広く。
ときには保育士の手を借りながら、年中・年長クラス共に子どもたちは紙コップを上手に積み重ねていきます。
ひとりで黙々と積み上げる子もいれば、お友だちとふたりで積み上げる子、もっと大勢の仲間で力を合わせてつくりあげる子どもたちもいて、ホール中がちょっとした工事現場のように見えてきます。

 

でもしばらくすると、紙コップが崩れ落ちる音があちらこちらで聞こえてきます。
それに合わせるように大きなため息や悲鳴にちかい声も聞こえてきます。
それでもまた子どもたちはつくりはじめます。
そのたびに次々と新しいかたちが生まれていきます。
時間が経つにつれて、崩れる音やため息や悲鳴の回数が増えてきますが、それが徐々に笑い声や、元気のいいかけ声に代わっていきました。

ひとつひとつは紙コップという小さな素材ですが、時間をかけて積み重ねていくうちに、それは長く続く壁になったり、自分の背たけをはるかに超えるタワーになったり、そこに座れば自分だけの小部屋にもなり、それらをいくつかつなげて巨大なお城になったりとさまざまなかたちになって現れていきます。
そればかりか、真っ白な紙コップであるのに、出来上がったそれらはそれぞれに色とりどりの色彩や模様まで見えてきます。
強いていえば、ホールに差し込む太陽の光がそれらに陰影を与えてはいますが、つくられた壁にはレンガ色が施され、タワーには鋼鉄の銀色が光輝き、小部屋にはカラフルな水玉模様の色彩が映り、お城には重厚な土壁さえ存在するかのようです。
筆者のような者でもそう感じさせるのですから、おそらく子どもたちの目にはもっと豊かな色彩や美しいデザインが見えているに違いありません。
いや、それどころか、そういうおとなの鈍い感性などをはるかに超えた、まったく別の世界を構築した感覚を体感しているように思えます。

いつもの素材への新たな気づきと、白であるがゆえに視えてくる色彩やデザイン

この真っ白で、ごく普通にある紙コップを素材としている理由を先生に尋ねました。
「もっともシンプルなかたちであり、日常のどこにでもあるものだけど、それがふたつ、みっつと増えていくとまったく新しい景色に見えてくる、かたちになる、そういうことに気づかせてくれる素材としては最適です」
という答えが返ってきました。そして
「コップは水を飲むものという、誰もが理解している当たり前の概念も、ちょっと視る角度や考え方を変えるとこんなことにもなるんだ、という驚きや発見にもつながるでしょ」
先生はこの小さな紙コップひとつから得るものは、想像以上に大きいといいます。

また、真っ白であることの必然性を
「これに色や柄があったら、それに引っ張られてイメージが固定されてしまう。青なら空や海、緑と茶色なら
森や山、ピンクや赤ならきっと女の子しか選ばない・・・それって、つまらない。
だから、そんな概念にとらわれない真っ白こそ、そこに個人個人でさまざまな色彩やかたちを想像することができる、ってことです」
そう話してくれました。

ワークショップも終了に近づくと、年中クラスのなかには、崩れて紙コップが豪快に飛び散るさまに興味を抱いたのか、わざわざ積み上げて完成させた紙コップの山を思いっきり押し倒して大喜びする子どもたちの姿も見えました。
また、最初に紙コップ(100個)を入れていた細長い空箱を何本も集めてきて、それを電車や車に見立てて遊ぶ子どもたちも。
それはそれで、きっと、その子どもたちにしか見えない世界があきらかにそこに存在していて、そのなかを自由に飛びまわっているのでしょう。

年長クラスの子どもたちは、最期に昨年の年長クラスでも行ったように、たくさんの紙コップを重ねて一本のロープ状にして、その端と端をつないで大きな輪をつくります。
そして、そのロープ状になった紙コップの輪を囲むように子どもたち、保育士、それから先生も交えて等間隔に並んで座り、各自の目の前にあるロープ状になった部分をやさしくつかみます。
先生は子どもたちに「そおっと、やさしく手にもったら、ゆっくり、ゆっくり持ち上げるからね」と声をかけます。
子どもたちの無言のまなざしと、緊張した空気が伝わってきます。

先生はそれを確かめるように見回すと「さあ、上げるよ!」と号令をかけました。
それに合わせてみんながいっせいにゆっくりとその輪を持ち上げました。
先生と子どもたちの手によって、そのロープ状になった紙コップの輪は、そのままのかたちを保ちながら少しずつ床から離れていきます。
どこも接着などしていない、ただ重ねただけの紙コップでつくったロープ状の輪は、確かにその数秒間、宙に留まっていました。

その後、どこからともなくつなぎ目が外れて、紙コップはガラガラガラ~と大きな音を立てながらばらばらになって床へ落下していきました。
その瞬間、子どもたちはもちろん、先生も保育士たちも一斉に歓声と拍手でそれを讃え合いました。

これで、今年度最初の「にじいろワークショップ」は、さわやかな余韻を残したまま終了しました。

破壊と再生の繰り返し…それはつねに未来へ向かうこと

松澤先生は、今回のワークショップを振り返り
「紙コップはそこに重ねて置くだけなので、当然のことながらほんの少し触れただけでも、すぐにかたちは壊れてしまいます。
どれほど高く積み上げても、またはどれほどたくさん並べても、そのことに変わりはありません。
だから、完成を目指すには、何度でも〝壊れてはつくりなおす〟、時間の許す限りそれを繰り返すしかないんですね。
でも、この繰り返す行為こそが、このテーマでもっとも重要なことなんです」と話しました。
つまり、実は完成することが真の目的ではないということです。

先生は続けて
「たとえば、壊すことに抵抗のある子は、慎重になりすぎてなかなか作業が進まないんです。
また、繰り返す行為でも、壊れてしまうと元のかたちに戻す作業をはじめる子もいます。
いずれの子も、慎重さやまじめさにおいてはほめてあげたいし、それは必要なことですから否定はしません。
ただ、そういう子は、ほとんどはじめたときのままのかたちで止まっています。
〈アート〉系のワークショップにおいて、それはあまりほめられる行為とは言い難いんです。
止まっていることは、新しいことに向かっていこうという思いまで止めてしまいます。
それでは、チャレンジ精神みたいなものは育ってこない。
〈アート〉も生きものと同じで日々変化しているのですから、それに順応していくことが必要で、それは裏を返せば、自らも変化していくことが求められているということです。
まさに生きていくことと同じです」
さらに言葉を重ねて
「いわば、壊せないとか、壊れるのが怖いということは、その先へ進むことができないということ。
壊れるまたは壊すことにためらわず、何度でもトライする。
そのたびに新しい発想や技量の獲得ができ、まったく違う新しい景色が見えてくるはずです」
先生は、そういう体験こそがいまの子どもたちには重要なことだと説きます。

そして最後に先生は
「いまという時代は、つねに破壊と再生の繰り返しの上に未来を築いているようなもの。
だからこのワークショップは、〈アート〉を通じてそういうことも学ぶ場であって欲しいんです。
それは理屈ではなく、体感として」
そこまで言うと、笑顔でこう締めくくりました。
「だって、日々変化していくこれからの未来を、ほんとうに築いていくのはこの子たちだから!」

ドキュメンテーション

紙コップのインスタレーション
今回は紙コップ一つから始まります。
一つの小さなものでも、それが大量に集まると、大きく景色や空間を変えることが出来るのです。
紙コップが積み上がる、高くなる
しかし、一瞬にして崩れる緊張感も伴います。

構築から破壊へ
破壊があるからまた新しく生まれる
そんな隠れたメッセージも内包しているインスタレーションです。

written by OSAMU TAKAYANAGI

【保護者の皆様】マスク着用の考え方について

2023年3月8日 水曜日投稿

令和5年3月8日

保護者の皆様

社会福祉法人陽光福祉会
理事長 大庭正宏

マスク着用の考え方について

 令和5年2月10日に、厚生労働省「マスク着用の考え方の見直し等について(令和5年3月13日以降の取扱い)」により、令和5年3月13日からマスクの着用は個人の主体的な選択を尊重し、個人の判断に委ねることが示されました。保育園では、園児のすこやかな発育・発達の妨げとならないよう配慮し、次のとおりの取扱いといたします。ご理解ご協力の程よろしくお願いいたします。

1. 児童(これまでと同様の対応となります)

  • ● 2歳未満児 マスク着用は推奨しません。
  • ● 2歳以上~5歳児 マスクの着用を求めません。

※ 基礎疾患等により感染不安を抱き、マスクの着用を希望する児童に対しては適切に配慮します。その際、子どもがマスク着用を嫌がる場合は、マスクを外させていただくこともあります。また、園庭や散歩などの外あそびの際には、十分な呼吸ができなくなるリスクが指摘されていることから、マスクを外させていただきます。

2. 保護者・来園者等

個人の主体的な選択を尊重し個人の判断に委ねることとし、着用を求めません。

3. 職員

  • ● 屋内 3月13日以降も保育時間中のマスクの着用を継続します。
  • ● 屋外 マスク着用は求めず、職員個人の判断に委ねます。

※ 5月8日以降は屋内についても、マスク着用は求めず職員個人の判断に委ねることとします。

備考

卒園式については厚生労働省子ども家庭局保育課「保育所等におけるマスクの着用の考え方の見直し等について」に基づき、園児はマスクを着用しない、保護者の方はマスクの着用を求める、職員については見守りの職員はマスクを着用し、それ以外の職員はマスクを着用しないこととさせていただきます。

お願い

マスクの着脱について、他者に強いることがないようお願いいたします。

【にじいろWS 2023-2月】冬眠? 空間あそび - テープのインスタレーション

2023年2月21日 火曜日投稿

春が来るまで、落ち葉にくるまりひと眠り。さて、そんな空間あそびとは?

「三寒四温」なんていう言葉を古いひとは想い出すのですが、
いよいよ春の訪れももうすぐですね。
自然のなかに生息する無数の生き物たちも、長い冬眠から目覚めの準備をはじめているかもしれません。
もっとも、深く静かな穴のなかでぬくぬくと落ち葉にくるまりながら眠っている生き物たちには、まだちょっと春は先延ばし、というところでしょうか。
今回のにじいろワークショップは、そんな生き物たちの冬眠の情景を思い浮かべながら、〈インスタレーション( Installation )〉を体験します。

年中クラスの子どもたちは初めての〈インスタレーション〉ですが、年長クラスの子どもたちは一昨年の10月に「クモの巣」を想定した〈インスタレーション〉を行っています。
〈インスタレーション〉とは、空間そのものをひとつのアート作品としてとらえる、ということです。
さて、今回はいつものホールが、子どもたちの想像力と創造力でどんなアート空間に仕上がるのか楽しみです。

円すい形のお家に、子どもたちはどんな光景が見えるのでしょうか

子どもたちが入室する直前まで、先生と保育士はワークショップの準備で大わらわでした。
それというのも、今回の〈インスタレーション〉は大仕掛けだからです。
では、準備のようすを簡単に記しておきましょう。

まずは黄、オレンジ、赤、ピンクなどいくつかの色のすずらんテープを用意します。
すずらんテープは、色ごとに一定の長さで十数本ずつ切り分けます。
切り分けるその一定の長さとは、天井から床面までです。
ただし、天井から床面まで垂直に測った長さではなく、ホールの天井中央の一点を起点にして、そこから斜めに床面へ降ろした長さです。
当然、斜線の傾きがゆるやかなほど無限に長くなるので、ここは床面の幅に応じた斜線の傾きを想定し、その長さ測りました。

次に、各色十数本ずつ切り分けられたすずらんテープを、同色でまとめて束ねます。
黄、オレンジ、赤、ピンクで4つの束ができあがりました。
最後に、同色ごとに束ねた一方の端の部分のみをひとつに結びます。
1本ずつばらばらだったすずらんテープも、これできれいにまとまりました。
実は、これが今回のワークショップの土台となり、これをつくるのに先生や保育士が天井と床面を測り、すずらんテープを切り分け、ひとつに束ね・・・とその準備に追われていたのです。
でも、以上で準備OKです。

というところで、年中クラスの子どもたちの登場です。
大きな声でごあいさつをすませると、先生は準備しておいたすずらんテープの束を持って子どもたちの前でゆっさゆっさと大きく揺らしたり、吹き流しのようにすばやく空中を走らせて見せました。
目の前でパラパラ、ひらひら舞い踊るすずらんテープに、早くも子どもたちは大さわぎです。

ですが、ここまではいつもの序章です。
先生はそのすずらんテープの束をひとつ手に取ってホールの中央へ行き、椅子の上に立って天井に備え付けられている金具にそのすずらんテープの結んだ部分をしっかり固定しました。
この天井の金具ですが、子どもたちが乗る、揺れるなどの感覚刺激を受けて遊べる〈感覚遊具〉を支えるための特別なものです。園舎を建てる際に、このホール天井に設置しました。
今回はその金具を大いに活用させてもらいました。

先生がそのすずらんテープを天井に固定し終えると、十数本のすずらんテープがいっせいに天井から降りてきました。
その1本1本のすずらんテープを先生と保育士は床面の四方八方へ斜めに引っ張り、その1本1本を床面に養生テープでしっかり留めていきました。
天井の1点から放射線状に床面へ伸びた十数本のすずらんテープは、まるで円すいを形づくるように見えます。
あるいは、円すい形のテントの骨組みのようです。
その光景を見ていた子どもたちは、最初はなにがはじまるのか不思議そうでしたが、みるみる円すい形に仕上がってくると、「すごい、すごい」と声を上げてはしゃぎはじめました。

そこで先生は、はじめて今回のワークショップのテーマを話しました。
「この季節は、自然のなかで生きている動物や昆虫たちはまだまだ冬眠しているよね」
子どもたちは冬眠の意味を理解しているようで、
「うんうん!」とうなずきます。
「なので、今回はこの部屋いっぱいに冬眠するためのお家をつくります」
と先生は言うと、子どもたちに出来上がったばかりの円すい形の中に入るよううながしました。
子どもたちは待ってましたとばかりに入ろうとしましたが、
「ちょっと待って、その前にひとつ注意しておきます」と先生は子どもたちの動作を留め、
「このお家は壊れやすいので、1本1本のテープを蹴ったり、手で押したりしないこと」
子どもたちは「はーい」と元気よく答えたものの、どうやらまだ勢いあまって飛び込んでいきそうです。
そこでさらに「もし、このお約束が守れないなら、今日はそこで終わりにします」と。
その厳しいひとことはさすがに効いたようで、子どもたちも自ら気をつけながらゆっくり円すい形のスペースの中に入っていきました。どんなことにも守るべきルールはあります。
ことアートワークは繊細で、注意深く行動することが必要ですから、それを子どもたちにも知って欲しかったのです。

でも中に入ったら、それだけで気分は高まっていきます。
暴れないように、と自分を律しながらも、どこか落ち着かずにおともだち同士で押し合ったり、くっついたりと気持ちは今にも暴れ出しそうです。
そんな子どもたちを中に見ながら、先生と保育士は天井から縦に伸びた十数本のテープの外周に、今度は新たなすずらんテープを横にぐるぐると巻きはじめました。
円すい形のお家は、まるで色とりどりの縦糸と横糸で編みこまれたようです。

またその勢いのまま、保育士が壁部分にもほかのすずらんテープの束を固定し、同じように床面に向かって1本1本のすずらんテープを斜めに伸ばして固定し、もうひとつ新たな小さなお家をつくりました。
これでふたつの冬眠用のお家ができました。

先生は子どもたちに一旦円すい形の中から外に出るように指示し、
「いまのままじゃ、ちょっとお家が寂しいね、なにか飾りつけをしようかな?」と言いました。
子どもたちはもちろん、その意見に大賛成です。
先生は、あらかじめ用意したお花紙を子どもたちに見せました。
「このお花紙は、とってもやわらかくて、手のなかでまるめるとふわっとした形になるから、これでお花をつくったりできるよ」とお花紙の特性を話しながら花の見本をつくって見せました。
それからその花を円すい形のお家にセロテープで貼り付けました。
骨組だけだった円すいのお家が、そこだけパッと明るくなったみたいです。
子どもたちは思い思いの色のお花紙を取ると、いつものように自分だけの独創的な花をつくって貼りつけていきました。
ふたつの円すい形のお家にどんどん花が咲き、春を迎えて目覚める準備がすっかり整ったように見えます。

そんな飾り付けが終わると、先生は
「じゃ、最後にぐっすり冬眠できるように、温かな布団を敷きましょう」と言って、古新聞を子どもたちにわたしました。
子どもたちはその古新聞を折ったり、丸めたり、ひろげたりと自由にそのお家のスペースに置きはじめました。
おそらく子どもたちの目には、そこに敷き詰められたのは古新聞ではなく、温かなベッドや布団や枕に映っているのでしょう。
そのうちに、ある子が、いきなり新聞をひろげて壁に貼り付けました。
「それ、なーに?」と聞くと、
「テレビだよ!」と答えました。
その発想にはただただ脱帽です。
すると別の子が新聞をおりがみのように折って、かわいいテーブルをつくって運んできました。
もう、おとなのつまらない思考や想像力をはるかに超えています。

ワークショップの終わりは、全員で古新聞のふとんにくるまって眠りにつきました。
子どもたちが見上げたホールの天井も、きっと、いつもの天井ではない別の景色に見えていたのでしょうね。

最後のワークショップに、たくさんの想い出とアートな体験を!

今回は年中クラスの子どもたちがつくった円すい形のお家は、そのまま年長クラスの子どもたちが引き継ぐことになりました。
もちろん、年長クラスの子どもたちも同様にお家づくりをしてもらいます。
なので、天井の金具を起点にした円すい形のお家がふたつ、壁を起点にしたものがふたつと、いつもの大きなホールも子どもたちがつくったお家でいっぱいになりました。

そうそう、今回のワークショップは今期最後になります。
ですから、年長クラスの子どもたちにとっては、これがほんとうに最後のにじいろワークショップです。
いわば、2年間の集大成です。
最後の最後まで自由に、のびのびと、こころもからだもおもいっきり解放して臨んでくれたら、と先生は願っていました。

そこで、先の年中クラスでは円すい形のお家の原型づくりを先生と保育士で行いましたが、年長クラスの子どもたちは先生と保育士との共同作業で行うことにしました。
まず天井の金具にすずらんテープを固定し、そこから床面に垂れた十数本のテープ1本1本を子どもたち一人ひとりが握ります。
それから大きな円を描くように一人ひとりがひろがって、1本ずつ床面にすずらんテープを貼り付けていきました。
そうして出来上がった円すい形のお家に、年中クラスと同じように別のすずらんテープを横にぐるぐると何周も渦を巻くように張り巡らせていきました。

年長クラスの子どもたちも、やはりそこへ飾り付けをしましたが、ここは敢えて冬眠のためのお家づくりと限定せずに、
「お城でも、隠れ家でも、また別のもので良いから、お友だち同士数人でこのホールにあるお家を選んで、自由に飾り付けをしていいよ」と急きょ先生は子どもたちの自由意志に任せることにしました。

お花紙を使ってお花をつくるもよし、きれいなリボンをつくってもよし、古新聞をどんなふうに利用するもよし、もしも看板などを付けたければ短冊サイズに切った画用紙に文字や絵を描いてもよし、そんなふうに選択肢に幅を持たせました。

元気の良い男の子たちのグループは「へびのいるばしょ、きけん」などと看板を掲げて、怪しげな飾り付けをしはじめました。
女の子は数人で一番小さなお家のなかを、赤やピンクのすずらんテープをたくさん用いて華やかに飾りつけをしていました。
一番大きなお家を占領した子どもたちは、そのなかでゴロゴロ寝ころびながらふざけたり、楽しそうに笑い合っていました。
そして最後は、やっぱり古新聞をその中に敷き詰め、全員でおやすみなさい、のポーズです。
年長クラスの子どもたちそれぞれが見上げた天井もまた、いつもの景色とは違うものが見えていたことでしょう。

年長クラスのワークショップ終わりは、先生に2年間の感謝を込めたごあいさつを送りました。

年長クラスのみなさんへ
この2年間、にじいろワークショップで学んだこと、経験したことは、すぐに役立つようなものではないけれど、いつの日か必ず、どこかで支えてくれたり、元気づけてくれるはずです。
おとなになっても、また世界中のどこにいても、ここで身につけた想像力と創造力は一生失うことのない宝ものですから。

自分もアートの一部になる、そんな非日常的な世界をつくる

にじいろワークショップを企画・指導する松澤先生からのコメントを紹介して、今期最後のワークショップを締めくくろうと思います。
「すずらんテープひとつで、非日常の世界に入り込める。これって、すごいことですよね。
とくに子どもたちの想像力の豊かさはおとなのそれではとうてい及ばない領域にあります。
指導の範疇をはるかに超えた、まったく予想外の発想やそれを実現化する力は毎回驚かされますが、そういう部分をむしろもっと伸ばしてあげられたらと考えています」

先生は、いつも子どもたちに寛容です。
〈のびのび〉と〈自由〉な発想やアート的な行動に対しては、子どもたちと一緒に感動し、どんな些細なことでもほめてあげることを忘れません。
もっとも、そのために最初に予定していた指導がその場の子どもたちの反応によってよく変更になるので、現場で準備をする保育士たちは大変そうですが(笑)。

そして、今回のワークショップをこんなふうに語りました。
「この〈インスタレーション〉では、自分もアートの一部になるということを体感してもらいたかったので、
それは自然に全員がこのアートの世界に溶け込んでいたのでよかったです。
逆にいえば、子どもたちがそこに居なければ成立しないアートの世界を、みごとにつくりあげてくれたな、と思います。
細かなことでいえば、天井から床面に向かってふりそそぐシャープな放射線から得られるインスピレーションをどこまで感じとってくれたかということが重要です。
今回は視覚的なことですが、普段のホールにはない状況ですからね、それだけでもかなり子どもたちには特別な光景として刺激を受けていると思います。
何気ないすずらんテープ1本でも、普段そこに見えていた景色が一転するのだ、というアート的な思考を学んでくれたらうれしいですね」

来期もまたのびのびと自由に、そしてあそびながらアート体験ができる最高のワークショップを行っていきます。

ドキュメンテーション

冬眠 ? 空間あそび ― テープのインスタレーション
冬になると動物や虫たちはどうしているのだろう?
そんな疑問からホールテントをいくつかつくり、子どもたちを遊びに誘ってみます。
テントは新聞紙やすずらんテープを骨組みとして、周りにいろいろ飾っていきます。
子どもたちから、どんな発想が出てくるでしょうか?
材料をいろいろ用意して、楽しい冬の物語を一緒に参加したいと思います。

written by OSAMU TAKAYANAGI

大雪に伴う保育園の対応について

2023年2月9日 木曜日投稿

現在、天気予報にて明日の午前8時ごろからの降雪が発表されております。夜遅くまで続く降雪により、多摩地域では気温の低下が進んだ場合、多いところで10~20センチ積もる可能性もあるとのことです。

大雪により警戒レベル3以上の発令が羽村市から出された場合は休園となります。現時点での気象庁による発表では、大雪警報が発表される可能性は「中」となっており、大雪特別警報までは示されておりません。そのため、明日は通常通り開園する予定です(保育中に大雪特別警報が発令された場合は、お迎えのご依頼をさせていただきます)。

詳細につきましては、【羽村市】風水害等発生時における市内保育施設の臨時休園等の対応について をご確認ください。

【にじいろWS 2023-1月】光の箱

2023年1月24日 火曜日投稿

冬の光を集めて、体感したことのない美しい世界を創出

冬の陽射しは穏やかで、とてもやわらかな温もりをあたえてくれます。
透き通った外気にゆらぐ淡い光の煌めきさえ、どこか愛おしい。
そんな冬の太陽からそそがれる光の束を集めて、今までに体感したことのない美しい世界をつくります。

今回は年中クラス・年長クラス共に同じ創作工程を経て、子どもたちの両手のひらに収まるほどの小さな箱をつくります。
でも、箱のなかには宝石のような輝きを放つ光がぎっしり詰まっています。
しかもそれは、つくり上げたその子だけの唯一無二の「光の箱」です。

新しい年を迎えて初めてのにじいろワークショップは、この「光の箱」を創出します。

※なお、今回参考にさせていただいたのは、大学准教授であり美術作家でもある松村泰三氏が考案した「光の箱」です。
もちろん、当園の子どもたちに応じた内容に監修し、通常のにじいろワークショップとして指導しています。
従って、ここで使用する材料や大きさなどは、一般的に流布されているテキストや指導要領とは異なります。

つくり方は簡単!でも、丁寧に、順番通りに組み立てましょう

年中クラス・年長クラス共に同じ工程を経て、この「光の箱」づくりを進めます。
そこで、今回はまず創作工程を示しておきましょう。

工作用の厚紙を幅7cm、長さ40cm+のりしろ(1.5cmほど)の帯状にしたものを、児童ひとり1枚用意します。
帯状の片面には10cm間隔に4本のたに折りを示す線を施します。

たに折り線のないもう片面にそれぞれが好きな模様をカラーペンで描きます。

模様を描いた面を外側にして、内側をたに折り線に沿って折りたたんでいきます。

四角形の箱型ができたら、のりしろを両面テープでしっかり貼り付け、正四角形の形に整えます。

帯状の面にある縁(ふち)に工作用のボンドを塗ります。ボンドは綿棒を使って丁寧に塗ります。

各辺10m以上の正方形に切ったトレーシングペーパーを1枚用意し、箱にふたをかぶせるように貼り付けます。

トレーシングペーパーを底面にして箱を置き、しっかり付着するまで押さえます。

それが乾くまでの間、アルミホイルなど鏡面加工されているペーパーを7cm幅の帯状に切ったものを数多く用意。

それを円筒のようにまるめてボンドで貼り付けます。直径は自由なので、大小さまざま円筒をいくつもつくります。これが基本の形となります。
また円筒だけではなく、四角柱でも、三角柱でも、星型やハートの形でも、円筒のようになればよいです。

それができたら、たくさんつくった円筒状のものを箱のなかに詰めていきます。

箱のなかがぎゅうぎゅう詰めになったら、それが外に出ないようまたふたをします。今度は、カラーセロハンでふたをしますが、トレーシングペーパーのように1枚で被せるのではなく、赤・黄・青・紫などいくつかの色のセロハンをそれぞれ2~3cm幅に切ったものをランダムに、縦横かまわず箱のふたになるよう貼り付けます。色の並べ方は自由ですが、いくつもの色が重なるように貼ります。

最後に、箱の縁から外にはみ出したトレーシングペーパーやカラーセロハンの余計な部分は箱の形に沿って切り落とせば完成です。
完成した「光の箱」の見方は、カラーセロハン側を太陽の光に向け、トレーシングペーパー側から箱のなかを覗くように見ます。

創作過程で、使用する材料の用途や素材の特色も学びます

今回のワークショップはいつものホールでの創作ではなく、年中クラス・年長クラス共にそれぞれのお部屋で行いました。
なので、臨む気持ちに少し変化があったかもしれません。環境って、すごく大事ですから、とくにアートに取り組むときって、なおのこと。
それを考えると、今回のようにいくつかの決められた単調な作業を繰り返し、じっくりと創作に打ち込んで完成させるような作品づくりは、日頃慣れているお部屋でよかったかもしれません。
いつもに増して、周囲に気を取られず、そのものに集中することができたように思います。

はじめる前に、先生はまず自身でつくった「光の箱」を子どもたちに見せました。
机に座る子どもたちに間近で、順番に見せて歩きました。
でも先生の手のなかにただ収まっている箱は、中身もろくに見えませんし、一見どうということのない正四角形の箱です。
子どもたちはそれがどんな意味を持つ箱なのかは誰も知りません。
先生はその箱をもって、お部屋のベランダ側にあるガラスサッシへゆっくり行くと、そのガラスに箱を押し当てました。
するとその瞬間、箱のなかにさまざまな色の模様が、きらきらと輝きながら浮かびあがって見えました。

子どもたちはいっせいに大きな歓声をあげました。
「うわ~なんだ!?」
「光ってるぞ」
さっき自分たちが見たふつうの箱のなかが、太陽の光にかざしただけで一瞬にして魔法のように輝き出したのですから、それはびっくりです。
先生はさらにガラス越しに押し当てた箱を上下左右に動かしたり、揺らしたりしました。
なんと、そのたびに箱のなかの模様も、まるで生きているように次々に輝きを変えて見えてきます。
「動いた、また変わった!」
「なにが入ってるの?」
子どもたちはその小さな箱のなかが目まぐるしく変わるたびに興奮して立ったり、座ったり。
「今日は、これをみんなにつくってもらいます」
先生はそう言うと、創作工程を順番に子どもたちに伝えながら進めていきました。

創作工程を順番に指示しながら、先生はいつものユーモアを交えて、トレーシングペーパーやカラーセロハンの使い方やその素材の特色について説明をしました。
「トレーシングペーパーは、目の前にかざして見ても普通の紙のようにその向こうは見通せないよね。でもそれを直接胸につけている名札に押し当てたら、ほら、ちゃんと名前が透けて見えてくるよ」
先生はひとりの子どもの胸の名札にそれ押し当てて見せました。
さっきまで何も見えなかった紙が、そうして見ればちゃんと名札の名前が読み取れます。
「ほんとだ!」と子どもたちは自分の名札にそれを押し当ててみました。

ある子が自分の着ている服に押し当てて
「あ、わたしの服の模様が見えたよ」と言い出しました。
その声に反応して、ほかの子どもたちも自分の洋服に描かれたプリント柄や刺繍にそれを押し当ててみました。
「見えた、見えた」とあっちこっちで連呼していました。

またカラーセロハンも目の前にかざすと、お部屋全体がそのセロハンの色に変わります。
青いセロハンをかざせば青色に、赤色をかざせば赤色に。
またまたある子が、左右の目に別々の色のセロハンをかざして見ています。
「わ~~っ、なんだこの色!?」とおおはしゃぎ。
はて、それは何色に見えたのでしょう・・・。
いずれにしても難しい説明より、こうして実際に体験して学ぶ方が、その使い方も素材感も身につくようです。

そして先生はワークショップの締めくくりに、年中クラス・年長クラス共にそれぞれ完成した「光の箱」をベランダに集めてひとつの大きなオブジェのように積み上げました。
積み上げ方次第で、まっすぐ天に向かって建つ一本の光の柱のようにも、また横につなげて美しく輝く壁のようにもなります。
「光の箱」は、まるで生きもののように、つねに流動的にうごめいていきます。

太陽からの光の恩恵は、玩具から建築まで無限大です

太陽からふりそそぐ光を利用して楽しむ玩具といえば、万華鏡を想い出します。
これはみなさんご存知かと思いますが、一般的なのは円筒のなかにガラス板が三枚、三角に組まれ、そこに小さなガラス片や色紙などが入っているもので、円筒自体を手でくるくる回しながら小さな覗き穴から見るとなかのガラス片や色紙がさまざまな模様に変化するというもの。
これも、覗き穴の反対側から入る光によって、予想できない独特な美しさを見せてくれます。

また、教会の窓などにはめ込まれたステンドグラスも、太陽の光によってさまざまな表情を魅せてくれます。
さらにいえば、こうした太陽の光を採り入れたり、それを活かした建築も世界中にたくさんあります。
今回のワークショップでは、ひとつの小さな箱づくりにすぎませんが、ここから広がる世界はかぎりなく存在するということです。
それこそ、子どもたちの未来を象徴するかのように。

では、最後ににじいろワークショップを企画・指導する松澤先生からのコメントを紹介します。
「季節的に屋外での作業は無理ですが、室内での作業でありながら屋外で太陽の陽射しや透き通った外気を感じることができるワークショップとして初めて採用した内容でした。
誰もが一連の工作工程を経ることで完成するという、ごく一般的なものですが、完成した形こそみんな同じでもそこに浮かび上がる(見える)世界はまったくのオリジナルな世界になるというのが、この『光の箱』の最大の特徴です。
特に当園の子どもたちですから、これまでの経験を活かし、一人ひとりが丁寧に取り組んでいくことでより独創性を発揮できるという点で、とても有意義な工作になったと思います。

また工作の過程で子どもたちは切ること、折ること、貼ることなど細かな作業を繰り返すので、かなり指先の訓練や素材に慣れるという点で有効な作業だったといえます。
もっとも、当園のワークショップでそれはかなり鍛えられてきているので、案外たやすくこなしていたかもしれませんね。

それより、完成した直後に子どもたちがベランダに飛び出して、太陽の光に向かって自分の『光の箱』を競い合うように高く、高く差し出している姿には胸を打たれました。
誰に促されたものでもない、自然に感情として表れたものなので、そういう内側から湧き出る思いに駆られることこそ本物ですから。
そして、それぞれの『光の箱』に映る予想もできない輝きや揺れ動く模様に歓声を上げていたことが、実は最もこのワークショップで得た純粋な体験だったのではないか、と思います」

ドキュメンテーション

光の箱
空気が澄み切って光が綺麗に見える季節です。
光の工作は昨年も行いましたが、今回は光のボックスを作ります。
比較的簡単で、よくある工作ではありますが、誰が作っても達成感のある素敵な箱が出来上がります。
窓際に置いて太陽の光が差し込む様子を楽しみます。
今回は保育室に積んで灯りを照らしてみたいと思います。

written by OSAMU TAKAYANAGI